更新日[ 2025/08/10 ]
働きながらの転職活動は可能?成功のコツと効率的な進め方を解説
働きながらの転職活動は大変ですが、時間の使い方を工夫すれば十分対応可能です。
例えば、通勤時間や休憩時間を活用することで、情報収集や書類準備を効率的に進められます。
この記事では、成功事例・失敗事例や効率的なスケジューリング方法から、時間を上手に捻出するテクニックまで、実践的なノウハウを解説。長期化した場合の対処法にもふれながら、転職活動を無理なく進めるための具体的なヒントをご紹介します。
仕事が忙しくて、転職活動の時間が確保できるか不安を感じていませんか?
- 一度に大量応募が本当に効率的な進め方なのか疑問。
- 「面接の1時間くらいは何とかなる」では見立てが甘いかも?
- 限られた時間で最大限の成果を出すための、効率的な進め方が知りたい。
目次
- 働きながら転職活動を行うメリット・デメリットとは?
- 在職中か退職後か?転職活動の最適なタイミング
- 働きながらの転職活動の成功事例と失敗事例
- 転職活動に短期間で成功したケース(20代・男性/自動車メーカー・機械系エンジニア)
- 時間管理の失敗で転職活動を中止したケース(30代・女性/不動産関連企業・経理職)
- 働きながら転職活動を成功させるための効率的なスケジュール
- 転職活動開始前の準備フェーズ(1ヶ月目)
- 応募・選考フェーズ(2~3ヶ月目)
- 内定・入社準備フェーズ(3~4ヶ月目)
- 転職活動が長期化した場合の対処法
- 働きながらの転職活動における注意点
- 現職の業務に支障が出ないようにする
- 転職活動のスケジュールは余裕を持って組むようにする
- 転職活動で使える効率的な情報収集の方法
- 通勤時間や昼休みを活用して情報を集める
- 口コミやSNSでリアルな声を参考にする
- 計画的な準備と効率的な行動で、転職を成功させよう
働きながら転職活動をする人が増えている背景
リクパーキャリアの統計によると、9割以上の人が働きながら転職活動をしています。この背景には、終身雇用制度の変化により、キャリアチェンジが一般的になったという現状があります。
働きながらの転職は、収入の安定性を保ち、リスクを抑えながら新しいキャリアを模索できる現実的な選択肢として、多くの求職者に選ばれているのです。
働きながらの転職はキツイ?転職活動にかかる平均期間
リクルートワークス研究所の「全国就業実態パネル調査」によれば、転職活動を始めた人の約半数が3ヶ月未満で活動を完了しています。

内訳は1ヶ月未満が25.6%、1ヶ月以上3ヶ月未満が28.4%、3ヶ月以上6ヶ月未満が14.9%、6ヶ月以上1年未満が12.7%、1年以上2年未満が7.4%、2年以上が10.9%となっています。
退職してから転職活動をする方もいますが、期間が半年以上かかるケースが3割以上もあるため、生活費をしっかりと確保しておく必要があるでしょう。
また、業界や職種による転職活動期間の違いは見過ごせません。IT業界や営業職など、採用スピードの早い分野では短期決戦型の退職後転職も可能ですが、管理職や専門職などでは内定獲得までに時間がかかる傾向があります。そのため、管理職や専門職の転職活動は、働きながら着実に準備を進める方が現実的と言えます。
働きながら転職活動を行うメリット・デメリットとは?
働きながら転職活動を行う最大のメリットは、経済的安定性の確保と職歴の空白期間の回避ができることです。毎月の収入が継続するため、家族がいる方や住宅ローンなどの固定費がある方にとって安心感があります。
一方で、時間的制約と現職との両立の難しさはデメリットです。限られた時間の中で効率的に活動を進める必要があり、時には現職の業務に影響を与えるリスクもあります。
■働きながらの転職と退職後の転職の比較
比較項目 | ■働きながらの転職 | ■退職後の転職 |
<経済的安定性> | 【◯】収入の継続 | 【△】収入確保できなくなる |
<キャリア> | 【◯】職歴の空白期間ができない | 【△】職歴の空白期間の発生リスクあり |
<転職活動にかけられる時間> | 【×】隙間時間や退勤後、休日のみ | 【◯】転職活動に集中できる |
<精神的負担> | 【△】両立するストレス | 【△】経済的な不安 |
在職中か退職後か?転職活動の最適なタイミング
転職活動を「働きながら進めるか」もしくは「退職してから取り組むか」は、人によって向き・不向きがあります。
まず、経済状況や家族構成は大きな判断材料になります。
貯蓄に余裕がある方や配偶者の収入で家計が成り立つ方は、退職後に集中して活動する選択も現実的です。一方、独身で収入が途絶えると生活が不安定になる方は、働きながら活動するほうが安全です。
さらに、年齢やキャリアレベルによっても最適な選択は異なります。
20代~30代前半の若年層は求人が多く、比較的フットワークも軽いため、思い切って退職して転職活動に集中した方が良いケースもあります。一方で、40代以降の転職では求人数が限られ、選考も慎重に進む傾向があるため、在職中にじっくり進めるのが賢明です。
働きながらの転職活動の成功事例と失敗事例
働きながら行う転職活動の成功と失敗には、一定の共通するパターンが見られます。
ここでは、九州・沖縄エリアに特化した転職エージェント「リクパーキャリア」を利用して、働きながら転職活動を行った方の事例を紹介します。

転職活動に短期間で成功したケース(20代・男性/自動車メーカー・機械系エンジニア)
現職が多忙であることを前提に、最初から限られた時間でどう戦うかを考えて転職活動を開始したAさん。その成功の秘訣は、徹底した事前準備にありました。
<明確な転職軸の設定>
・地元である九州に戻ること
・機械系エンジニアとしての経験を活かせること
・将来性のある地場の自動車メーカーであることこの3つの軸を明確に整理し、十分な情報収集を実施したのです。応募先は志望度の高い2~3社に厳選し、面接対策も1社あたりに十分な時間を割いて実施。転職エージェントも九州の転職支援に強みを持つ1社に絞ってサポートを依頼しました。
「まずは第一志望群の企業に集中し、ダメだった場合は次の候補群へ進む」という明確な方針により、限られた有給休暇の中でも面接日程を効率的に調整。手当たり次第に応募するのではなく、企業ごとの優先順位を明確にして選考を進めた結果、無理なく活動を継続でき、最終的には第一希望の企業から内定を獲得できました。
時間管理の失敗で転職活動を中止したケース(30代・女性/不動産関連企業・経理職)
不動産関連企業の経理職としてキャリアを積み、現職でも高く評価されている30代女性のBさん。転職活動を始めた当初は複数企業の書類選考を順調に突破し、面接日程の調整や対策に追われるほど活動は順調に進んでいました。
しかし、活動途中で現職が繁忙期に入ると状況は一変。業務が非常に多忙となり、面接日程の調整が困難になっただけでなく、転職の軸を振り返ったり選考を進める企業の優先順位を考えたりする余裕すら失ってしまいました。
「本来の転職の目的は何だったのか」「どの企業を優先すべきか」「何を基準に選べばいいのか」といった判断軸を見失ったBさんは、一度立ち止まることを決断。最終的には進行中だった4~5社すべての選考を辞退し、転職活動自体を中止する形となりました。
<キャリアアドバイザーからのアドバイス>
働きながらの転職は、「どれだけ事前に準備と計画ができているか」が成否を大きく分けます。まずは転職軸を明確にし、企業の優先順位を決めた上で動くことが重要です。
よくある失敗のパターンは、手当たり次第にエントリーしてしまい、書類や面接対策に時間をかけられずに辞退や不合格が続いてしまうケースです。応募先を絞ることで1社ごとに丁寧な準備ができ、結果として内定獲得につながります。
また実際の面接時間だけでなく、書類作成・添削、面接対策、転職軸の整理など、準備にもまとまった時間が必要になり、想像以上に時間が取られます。面接の時間なら捻出できると考える方は多いのですが、準備期間も含めて転職全体に必要な時間を冷静に見積もることが必要です。
働きながら転職活動を成功させるための効率的なスケジュール
転職活動を成功させるためには、先に応募書類をしっかり固めることが重要です。
「準備」「応募・選考」「内定・入社」の各フェーズに応じた効率の良い動き方を知っておくと、大幅な時短につながります。

転職活動開始前の準備フェーズ(1ヶ月目)
転職活動の成功は、始める前の準備にかかっていると言っても過言ではありません。特に、働きながら転職を進める場合、転職軸を明確にし、必要な書類や情報をあらかじめ整えておくことが不可欠です。まずは自己分析を行い、「なぜ転職したいのか」「何を実現したいのか」を明確にするようにしてください。
併せて、職務経歴書や履歴書を整え、転職サイトや企業のWebサイトで市場や業界の情報収集を進めましょう。転職エージェントにも早めに登録し、面談を通じて希望条件の整理や非公開求人の紹介を受けておくと、スムーズな選考につながります。
この1ヶ月をしっかりと準備にあてることで、迷いなく効率的に転職活動を進められるはずです。
<参考記事>
転職活動は何から始めるべき?全体の流れと事前準備、やることリストを徹底解説
応募・選考フェーズ(2~3ヶ月目)
転職活動の長期化を避けるには、複数の企業へ同時に応募し、選考を並行して進めるのが基本戦略です。1社ずつ受けていると、辞退や不採用のたびに振り出しに戻ることになり、時間と労力が余計にかかってしまいます。書類選考から面接までのプロセスを一括で動かすことで、効率良く進めることができます。
働きながらの転職活動は、面接日程の調整が大きな課題となるため、早朝や夜間、昼休みの時間帯で面接を設定できないか、あらかじめ企業側に相談することが重要です。併せて、有給休暇を戦略的に使い、1日に複数の面接を入れるなどして、日程の集中化を図るのも有効な手段です。
最近では、1次面接や2次面接をオンラインで行う企業も増えているので、より多くの企業と接点を持つことが容易となります。
また、複数の選考をこなすには、スケジュール管理が不可欠です。応募期限や面接日の把握、優先度の整理を怠らず、余裕を持った行動を心掛けましょう。
忙しい中でもしっかりと準備を整え、柔軟に動ける体制を作ることが、転職成功への近道になります。活動の両立が難しいと感じたときは、転職エージェントに求人選定から面接対策、日程調整まで任せることで、本質的な意思決定に集中できるようになります。
<参考記事>
転職エージェントに相談だけしても良い?|おすすめの利用方法を紹介
内定・入社準備フェーズ(3~4ヶ月目)
入社準備も転職活動の一部です。入社後の給与や勤務時間、勤務地、福利厚生などについて、不明点があればそのままにせず、遠慮なく確認しましょう。
「年収の内訳」や「残業の実態」「異動の可能性」など、入社後に生活へ影響する項目について把握しておくことが安心につながります。自分では直接聞きづらい内容がある場合、転職エージェントを利用しているなら、担当のエージェントを通じて確認・交渉してもらうことが可能です。
また、現職への退職意思の伝達と引き継ぎ準備を計画的に進め、円満退職を目指すことが大切といえます。入社日は新しい職場と相談の上、無理のないタイミングで設定することが重要です。
転職活動が長期化した場合の対処法
転職活動が長期化しても、焦らず戦略を見直し、心身のバランスを保ちながら柔軟に対応しましょう。
転職活動が3ヶ月以上続く場合は、応募書類や志望動機の内容、選考の進め方を一度立ち止まって見直すことが大切です。
思うように進まない時期こそ、モチベーションを維持する工夫や、体調管理を意識した生活を保つことが欠かせません。
また、希望条件にこだわりすぎていないかを確認し、譲っても良いポイントを整理することで、新たな選択肢が見えてくることもあります。冷静な振り返りと柔軟な姿勢が、停滞を突破するためには必要です。
働きながらの転職活動における注意点
働きながら転職活動を進める際には、現職に支障が出ないようにしたり、スケジュールに余裕を持たせたりすることが大切です。具体的にどのように注意すべきかについて、詳しく見ていきましょう。
現職の業務に支障が出ないようにする
転職活動に意識が偏りすぎて現職の業務に支障をきたすと、社内での信頼を損ねたり、円満な退職が難しくなったりする恐れがあります。職務は最後まで誠実に果たすことが社会人としての責任です。
また、応募書類の作成や企業との連絡は、必ず私用のパソコンやスマートフォンで行い、職場の端末やメールアドレスは使わないよう徹底しましょう。これは、情報漏洩や規則違反を防ぐ基本的なマナーです。
転職活動のスケジュールは余裕を持って組むようにする
早く結果を出したいと焦るあまりに、無理のあるスケジュールを組んで体調を崩してしまっては本末転倒です。余裕のある計画を立て、体力と集中力を維持できる働き方を意識しましょう。
加えて、家族がいる場合は、転職活動の意向を早めに伝え、理解と協力を得ておくことで精神的にも余裕を持って行動できます。日々の忙しさの中でも、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠、適度なリフレッシュを心掛け、心身の健康を守ることも大切です。
転職活動で使える効率的な情報収集の方法
働きながら転職活動をする場合、まとまった時間が取れなくても、隙間時間の使い方次第で、情報収集から面接準備まで効率良く進めることができます。
通勤時間の利用やSNS、口コミを使った情報収集で、隙間時間をうまく活用しましょう。
通勤時間や昼休みを活用して情報を集める
通勤時間や昼休みを情報収集に使うと、効率良く転職活動を進められます。5分でも時間があればスマートフォンで求人情報をチェックし、気になる企業を保存しておくと、退勤後にじっくり検討しやすくなるでしょう。週末の午前中や夜の時間を確保し、面接練習や企業分析にあてることも効果的です。
口コミやSNSでリアルな声を参考にする
情報収集の面では、企業の公式サイトや口コミサイトに加えて、SNSも活用しましょう。隙間時間にX(旧Twitter)で企業名を検索して、関連する投稿を見たり、LinkedInで現場のリアルな声や業界動向を見たりすることで、応募先への理解が深まります。
計画的な準備と効率的な行動で、転職を成功させよう
働きながらの転職活動は、時間的・精神的な負担が大きくなる傾向がありますが、事前の計画と効率的な行動によって、無理なく成功へと導くことが可能です。
今回ご紹介したように、準備、応募・選考、内定・入社準備と、段階ごとに最適なアプローチを実践することで、転職活動は格段にスムーズになります。
また、現職が忙しい方は、転職エージェントのサポートを活用することも有効です。第三者から客観的な判断や的確なアドバイスを受けることができるので、一人では気づけない課題に対処しやすくなるでしょう。
「リクパーキャリア」では、キャリアの岐路に立つ方々が自己の軸を見いだし、理想のキャリアを築けるよう、支援しております。九州・沖縄エリアでの転職をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
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- 監修者
- 下﨑 和志 (しもざき かずし)
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