更新日[ 2025/08/10

嫁ブロックとは?転職を反対される原因と回避方法を解説

転職や起業を決意したものの、妻から強い反対を受けて断念せざるをえない現象を「嫁ブロック」と言います。
近年、転職市場でよく聞かれるこの現象が起きる背景には、主に生活の安定が崩れることへの不安が存在しているといえるでしょう。
この記事では、離婚の原因にもなる嫁ブロックが発生する理由や、嫁ブロックを回避するための事前準備と対策について解説。嫁ブロックに直面した事例とともに、キャリアアドバイザーからのアドバイスについても紹介します。

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  • 転職活動のどの段階で家族に相談するべき?
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目次

  • 離婚の原因にもなる嫁ブロック
    • 嫁ブロックと夫ブロックの違い
  • 嫁ブロックが発生する理由とは?
  • 嫁ブロックを回避するための事前準備と対策
    • 転職活動開始前:希望や懸念点を言語化して妻に伝える
    • 転職活動中:進捗の情報共有は聞かれる前に妻に伝える
    • 内定承諾前まで:内定後の家計シミュレーションを共有し、妻に納得してもらう
  • 嫁ブロックに直面した3つの事例
    • 移住と年収減が障害となった嫁ブロック
    • 保育園の転園がネックになった嫁ブロック
    • 引越しがネックになった嫁ブロック
  • 円満に嫁ブロックを乗り越えるための心構え
    • 相手の立場に立った理解と共感が重要
    • 妥協点の見つけ方と合意形成
  • 嫁ブロックは乗り越えられる課題

離婚の原因にもなる嫁ブロック

嫁ブロックとは、主に既婚男性が転職や起業を検討する際に、妻から強い反対を受けて計画を断念せざるをえない現象を指す言葉です。
企業側が内定を出した男性候補者から「妻の反対により内定を辞退したい」と申し出られるケースが増え、採用業界でこの現象を指す言葉として使われるようになりました。
元々は採用担当者やヘッドハンターなどのあいだで使われ始め、現在はSNSを通じて広く認知されています。

嫁ブロックと夫ブロックの違い

嫁ブロックが主に経済的・生活的なリスクに対する防衛反応である一方、「夫ブロック」は妻のキャリア形成への反対や、働き方に対する理解不足から生じやすい傾向があります。
どちらも、家族のためという意識から来るものですが、その背景にある価値観の違いや性別による固定観念が影響しています。夫は稼ぎ手、妻は家庭を守る人という従来の役割分担の考え方が、現代の多様な働き方とのギャップを生んでいるのです。

嫁ブロックの説明No.47

嫁ブロックが発生する理由とは?

嫁ブロックが発生する理由は、主に将来への不安によるものです。
転職エージェントの現場で実際にあった嫁ブロックは、主に下記のような理由で発生しています。

<嫁ブロックが発生する主な理由>
1位 年収が大きく下がる
2位 引越し・地方移住など環境が変わる
3位 出張の多さ・通勤時間の増加など、家庭にかけられる時間が減る
※2024年、リクルーティング・パートナーズ株式会社調べ

<キャリアアドバイザーの解説>
転職においては、本人が感じている希望やメリットと、家族が感じる不安やリスクとのあいだにギャップが生じやすくなります。年収や勤務地、働き方の変化は、生活全体に影響するため、早い段階から家族と情報を共有することが重要です。希望条件だけでなく、家族の不安にも向き合い、譲れない点・妥協できる点をすり合わせることが転職成功の秘訣になります。

嫁ブロックを回避するための事前準備と対策

嫁ブロックを未然に防ぐには、転職活動が本格化する前からの準備と、家族との丁寧なコミュニケーションが不可欠です。内定後に突然伝えると、妻としては「相談なしで勝手に決められた」と感じ、不信感につながってしまいます。

内定辞退は、それまでにかけた時間と労力も大きな損失となるため、早い段階から家族と情報を共有することが重要です。ここでは、転職活動の開始前、活動中、内定承諾までの各段階に応じた事前準備と対策を解説します。

転職活動開始前:希望や懸念点を言語化して妻に伝える

転職活動を始める前段階での妻との情報共有は、嫁ブロックを防ぐための最重要ポイントです。まずは、自分の希望や不安、今の職場に感じている課題を冷静に言語化しましょう。

次に、転職によって家族にどのようなメリットがあるのかを、明確に伝えることが大切です。

例えば、「年収が将来的に上がる可能性」「勤務時間の柔軟性が高まる」「子供との時間が増える」など、家族にとってのプラス面をいっしょに考える姿勢が求められます。

また、業界や企業の将来性、現職にとどまり続けた場合のリスクなども客観的な情報として整理し、資料として見せると説得力が格段に増します。

転職活動中:進捗の情報共有は聞かれる前に妻に伝える

転職活動中は、進捗の透明性とコミュニケーションの頻度がポイントになります。妻にとって「自分だけが知らされていない」「いつの間にか話が進んでいる」という状態は不安が募ります。これが、不信感や嫁ブロックの火種になりやすいのです。

そのため、「今どのような企業に応募しているのか」「面接はどこまで進んでいるのか」といった情報を、妻から聞かれる前に細かく共有しましょう。また、事後報告よりも都度相談するスタンスを心掛けることで、夫婦間の信頼関係はより強固になります。

また、具体的な企業名や志望理由、年収、勤務時間、福利厚生などの待遇をわかりやすく伝えることも重要です。「なぜこの会社を選んだのか」「現職と比べてどのような違いがあるのか」を説明することで、妻にも転職の意味や価値が伝わりやすくなります。隠し事をしていないという印象を与えることが、嫁ブロックを防ぐ最良の対策です。

内定承諾前まで:内定後の家計シミュレーションを共有し、妻に納得してもらう

内定が出てから初めて妻に話すのでは遅すぎます。承諾前の段階で不安を解消し、納得を得る準備が必要です。まずは、家計シミュレーションを行い、収入や支出の変化を可視化して共有しましょう。教育費や住宅ローンなどの将来計画も含めて、生活への影響を数値で示すことで安心感を得られます。

次に、転職先の情報として、将来性や福利厚生、社員の定着率などを整理し、なぜこの会社なのかを丁寧に共有します。加えて、副業の検討や貯蓄の活用、転職後の見直しタイミングといったリスク対策も伝え、「一人で突っ走っているわけではない」という姿勢を示すことが信頼につながるのです。

最後に、妻の意見をきちんと聞き、不安のポイントを共に確認・整理することが、嫁ブロック回避のコツです。

嫁ブロックに直面した3つの事例

嫁ブロックを乗り越えるには、「感情」ではなく「納得」に重点を置いた対話が重要です。それには、妻の不安や懸念に、具体的な根拠と共感を持って向き合う姿勢が欠かせません。
ここでは、実際に嫁ブロックに直面した3つのケースを紹介し、それぞれどのように解決に至ったのかを、キャリアアドバイザーのアドバイスとともに紹介します。

嫁ブロックに直面した 3つの事例No.47

移住と年収減が障害となった嫁ブロック

大手化学メーカーで購買業務を担当するAさんは、担当領域で一定の成果を挙げてきましたが、現職では「やりきった感」があり、サプライチェーンマネジメントや戦略購買といった上流業務への挑戦を求めて転職活動をスタート。活動中に希望にマッチする魅力的な求人と出合い、企業の成長性にも強く引かれました。ただし、勤務地は地方で、移住が必要な条件だったのです。

転職と移住の可能性を妻に伝えた際、当初は前向きな反応だったため安心してそのまま進めましたが、選考が進んで提示された年収は現職より低いものでした。

この条件を妻に伝えると「生活水準を下げたくない」という理由で強い反対を受けることに。最終的には家族の同意を得られず、Aさんは転職を断念しました。

<キャリアアドバイザーからのアドバイス>
Aさんの事例では、年収条件の早期確認と生活費シミュレーションが重要でした。地方移住による生活費削減効果を具体的に算出し、実質的な可処分所得の変化を示すことで、妻の理解を得られた可能性があります。転職理由とキャリアビジョンの共有も有効です。

保育園の転園がネックになった嫁ブロック

大手食品メーカーで生産管理を担当する30代のBさんは、妻と保育園児の3人家族。夫婦ともに地方出身で、「いつか家族でUターンしたい」という共通の思いから転職活動をスタートしました。

複数の転職エージェントと面談し、選考は順調に進行。年収や入社時期の条件交渉も順調で、家族と相談しながら希望条件をすり合わせ、最終的にスキルを活かせる地元企業から内定を獲得しました。

しかし、引越しに伴う子供の保育園の転園問題が浮上。新居予定地周辺の保育園を調べると、妻と子供の希望に沿う園への入園は困難であることが判明したのです。 「せっかく慣れた環境を変えるのは子供がかわいそう」「新しい園に入れなかったらどうするの?」という妻の不安は深刻でした。Bさん自身は「このタイミングでのUターンはまたとないチャンス」と感じていましたが、最終的には家族の希望を優先し、転職断念に至りました。

<キャリアアドバイザーからのアドバイス>
Bさんの事例では、保育園の事前調査と複数の選択肢の確保が重要でした。認可保育園だけでなく、認可外や企業内保育園の調査、一時保育の活用など、代替案の準備が成功のポイントとなります。家族のライフステージを考慮した、転職タイミングの見極めも重要な要素です。

引越しがネックになった嫁ブロック

専門商社に勤務する30代のCさんは、現職の事業の将来性に不安を感じて転職活動をスタート。ある業界に関心を抱き、希望にマッチした企業と出会いました。当初は、現住所に近い本社に勤務することになる予定でしたが、最終面接で地方拠点勤務を打診され、内定獲得。

しかし、生まれたばかりの子供を抱える妻からの、強い反対に直面します。「今、地方に引っ越すのは無理がある」と妻のご家族からも反対され、一時は内定辞退の可能性も出てきました。

しかし、Cさんは自身の思いを丁寧に言語化し、粘り強く説得を試みました。転職先企業の将来性、キャリア形成でこのタイミングを逃せない理由、業界トップクラス企業からの内定の価値について熱意を持って説明。同時に、妻の不安にも耳を傾け、「子供が小学校に上がるまでに今住んでいるエリアへ戻りたい」という意向もくむことになりました。

そこで、転職エージェントを通して企業に異動制度の実績を確認し、将来本社へ異動できる可能性の高さを把握した上で、妻への説得材料として提示し、転職を成功させたのです。

<キャリアアドバイザーからのアドバイス>
Cさんの転職の成功要因は、妻の不安に対して感情論ではなく具体的なデータで説明したことや、企業との条件確認による将来の選択肢の明確化でした。結果として、家族の理解を得ての円満な転職が叶い、現在は計画どおり将来の本社復帰を視野に実績を積んでいます。

円満に嫁ブロックを乗り越えるための心構え

嫁ブロックを円満に乗り越える上では、「妻を説得すること」ではなく、「対話と理解を積み重ねること」が重要です。感情的なぶつかり合いは、信頼関係を損ない、夫婦の将来設計に悪影響を及ぼします。
家族の幸せを第一に考えている気持ちを言葉に出し、心配してくれていることに対して感謝の気持ちをきちんと伝えることから始めましょう。

夫婦で相談しているイメージ

相手の立場に立った理解と共感が重要

妻の立場から見れば、転職は生活の安定を脅かす可能性のある大きな変化です。特に、子供がいる家庭では、教育環境の変化や経済的な不安は深刻な問題として捉えられます。こうした不安を軽視せず、真摯に向き合う姿勢が、建設的な話し合いのためには欠かせません。

「反対されてムカつく」「自分の努力を否定された」と感じるのは自然な反応ですが、その感情をストレートにぶつけてしまうと、夫婦関係に深い溝が生まれます。妻の反対を「敵意」ではなく「不安の表れ」と受け止め、共感する姿勢が信頼構築の第一歩です。

妻の意見や懸念に対して、まずは「そう思うのも当然だね」「心配してくれてありがとう」という共感の言葉から始めることで、対立ではなく協力関係を築くことができます。その上で、具体的な解決策や改善案をいっしょに考える姿勢を示しましょう。焦らず、段階的に話を重ねていくことで、妻も少しずつ安心感を持ち、気持ちの変化が生まれていくはずです。

妥協点の見つけ方と合意形成

転職活動において、すべての希望を満たす就職先を見つけることは現実的ではありません。納得できる妥協点を見つけるためには、家族全体での価値観の整理が必要です。「安定した収入」「やりがいのある仕事」「家族との時間」「将来の成長性」などの条件の中で何を重視するか夫婦で話し合い、優先順位をつけましょう。

また、定期的な見直しと改善の機会を設けることを約束すれば、妻の不安を軽減できます。「半年後にあらためて状況を評価し、問題があれば次の対策を考える」「年収が回復するまでの具体的なプランを立てる」といった具体的な約束が、信頼関係の構築につながります。

もし、転職後の環境が期待と異なった場合の対処法についても事前に話し合っておくことで、妻にとって「最悪の場合でも対応策がある」という安心感につながるのです。

嫁ブロックを乗り越えるには、「説得」よりも「合意形成」が重要です。お互いの価値観を尊重しながら、共に最善策を探るプロセスが、結果的に転職の成功と家庭の安定の両立を実現します。

嫁ブロックは乗り越えられる課題

嫁ブロックには経済的・心理的な不安が背景にあり、単なる反対ではない複雑な背景が存在します。だからこそ、夫婦間でお互いの立場を理解しながら対話を重ねることが何より大切です。
嫁ブロックは、夫婦の価値観や人生設計を見直す貴重な機会でもあります。転職という人生の分岐点においても、一人で決断を抱え込むのではなく、「家族というチームとしていっしょに選ぶ」という意識を忘れないようにしましょう。

嫁ブロックは決して乗り越えられない課題ではありません。お互いの立場を理解し、家族の幸せを共通の目標として、粘り強く話し合いを続けることで、必ず解決の道筋が見えてくるはずです。

また、一人で抱え込まず、必要に応じてプロのキャリア支援サービスを活用することも有効な選択肢です。九州・沖縄の転職に強みを持つ転職エージェント「リクパーキャリア」では、企業目線・面接担当者目線での書類添削や、応募先企業に合わせたアドバイスを提供しており、嫁ブロックだけにとどまらず、さまざまな悩みを相談しながら転職活動を進められます。
九州・沖縄エリアでの転職を検討している方は、「リクパーキャリア」にぜひご相談ください。

▼転職活動の進め方についてはこちらの記事もご参照ください▼
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監修者
髙野 智愛 (たかの ちより)

キャリアアドバイザー【国家資格 キャリアコンサルタント】

海外大学卒業後、大手製造小売企業に新卒入社。同人事部において年間400名を超える国内外の採用業務に従事。 その後、結婚・第2子出産を機に転職し、誰かのターニングポイントに関わりつつ、地元九州へ恩返しをしたいという想いからキャリアアドバイザーへ転身。 若手層を中心に、いち社会人として、時には女性として、母としてなど様々な視点から転職支援を行っています。

【国家資格 キャリアコンサルタント】

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