更新日[ 2024/11/13 ]
30代から地方に転職!メリット・デメリットや転職方法について徹底解説
最近の調査によれば、30代では男性の約62%、女性の約70%が地方移住に興味を持っていることがわかっています。しかし、移住にあたっては、地方での仕事や生活にどのようなメリットやデメリットがあるのかを十分に理解しておくことが不可欠です。
本記事では、30代で地方への転職を考える方に向け、地方ならではの利点や課題、そして転職成功のための具体的な方法と事例を詳しく解説します。
参照元:移住に興味がある人は全体の65%。移住先に求めるサポート・制度とは
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目次
- 30代で地方に転職するメリット
- 都会で得たスキル・経験を活かせる
- 子育てしやすい環境を整えられる
- 生活費を抑えられる
- 助成金が支給される自治体がある
- 30代で地方に転職するデメリット
- 年収が下がるリスクがある
- 求人数が少なく希望条件に合う企業が見つかりにくい
- 車の購入などで出費が増える可能性がある
- 30代で地方の転職先を探す方法
- 移住者向け求人サイトを活用する
- 自治体の就業支援を利用する
- 転職エージェントを活用する
- エージェントからのアドバイス
- 30代の地方転職成功事例
- まとめ
30代で地方に転職するメリット
地方への転職は、都会で積んだ経験やスキルを活かしつつ、新しい生活環境を手に入れる絶好のチャンスです。ここでは、30代で地方に転職する具体的なメリットについて詳しく解説します。
都会で得たスキル・経験を活かせる
地方転職の大きなメリットのひとつは、都会で積んだ豊富な経験が希少な価値として高く評価されやすい点です。地方では特に、中小企業が多く、オールラウンダーとして多岐にわたる業務を担当できる人材が求められています。そのため、都会で多様なプロジェクトに携わり、幅広い業務スキルを身につけた30代の人材は、企業にとって即戦力として歓迎されることが多いのです。
さらに、地方企業では小規模な組織であることが多いため、意思決定に関わる重要なポジションを任される機会が増えるでしょう。これにより、裁量の大きい仕事を経験し、キャリアの幅をさらに広げることが可能です。加えて、IT企業やフィンテックなど、都市部の最先端技術に触れてきた人材も、地方の企業では特に価値が高く、重要なポジションを任される可能性が広がっています。
子育てしやすい環境を整えられる
30代になると結婚や子育てを考える方も増えてきますが、地方への転職は、そうしたライフステージにおいても大きなメリットをもたらします。自然豊かな環境でのびのびと子育てができるエリアが多く、子どもにとっても快適な生活環境を整えやすいのが魅力です。さらに、地方自治体は子育て支援に力を入れているところが多く、経済的なサポートだけでなく、親子で参加できるイベントや豊富な遊び場が提供されています。地方では保育園や幼稚園の定員に余裕があるケースも多く、共働き家庭でも仕事と育児を両立しやすいのが大きな利点です。
生活費を抑えられる
地方転職のもう一つの大きなメリットは、生活費を抑えられる点です。特に家賃の差は顕著で、地方では同じ予算でより広い物件に住むことが可能です。例えば、東京都内で月額7~8万円かかるワンルームマンションと同等の物件が、地方ではその半額程度で借りられることもしばしばです。
また、マイホームを購入する場合でも、都心部と地方では土地や建物の価格差は非常に大きく、資産を活用したライフプランの構築も現実的になります。生活費のうち住居費は固定費として大きな割合を占めますが、この負担が軽減されることで、より余裕のある生活が実現できるでしょう。
助成金が支給される自治体がある
移住先の自治体によっては、助成金を利用できるのも大きなメリットです。多くの自治体では、過疎化対策のために移住者への助成金制度を設けています。具体的には、住宅の購入改修費用や移住費用、子育て支援に対する助成金などです。
また、地方での起業を支援する制度や就労支援制度などもあります。これらの助成金や支援制度を上手に活用すれば、経済的負担を抑えて地方移住を実現しやすくなります。
30代で地方に転職するデメリット
一方で、地方転職には慎重に考慮すべきデメリットも存在します。地方への転職を成功させるためには、メリットだけでなく、デメリットを理解し、トータルで判断することが大切です。
年収が下がるリスクがある
地方への転職で最も懸念されるのが、給与水準の低下です。都市部と地方では、同じ職種であっても年収に大きな差が生じることが一般的です。特に地方の中小企業では、都市部の大企業に比べて給与が低い傾向が見られます。厚生労働省の「令和5年 賃金構造基本統計調査」によると、月額賃金の全国平均は約32万円で、最も高い東京都は約37万円、最も低い青森県では約25万円という結果が示されています。
参照元:厚生労働省|令和5年 賃金構造基本統計調査 P.15
このように、地域によっては10万円以上の差があるため、年収が大幅に下がるリスクを考慮する必要があります。また、地方では昇進や昇給の機会が都市部ほど豊富でないことも多く、長期的なキャリア形成においても慎重な計画が求められます。
とはいえ、地方は家賃や生活コストが低い傾向にあるため、単純に年収が下がることが生活水準の低下に直結するとは限りません。生活費の削減や、豊かな自然環境による心地よい暮らしを手に入れることが、結果として満足度を高める要因になることもあるでしょう。
求人数が少なく希望条件に合う企業が見つかりにくい
地方転職におけるもう一つの課題は、求人の選択肢が限られていることです。地方では企業の数が少なく、希望条件に合致した求人を見つけにくい可能性があります。特に専門職や高いスキルを求められる職種の求人は地方だと限られています。そのため、自分のキャリアやスキルに合った転職先を地方で探そうとしても難航してしまうことは珍しくありません。
転職活動は長期的になることを見越して、キャリアの方向性に柔軟性を持ちつつ、計画的に進めることが重要です。
車の購入などで出費が増える可能性がある
地方での生活には、交通手段に関する新たな課題もあります。多くの地方では公共交通機関の運行本数が限られており、通勤や日常の買い物、子供の送り迎えなど、自家用車がほぼ必須となる地域も少なくありません。そのため、住居費が安くなる一方で、車の購入や維持費が新たな出費となるケースが多く見受けられます。自家用車の維持費には、ガソリン代、保険料、メンテナンス費用などが含まれ、これらが家計に与える影響は小さくありません。
地方移住を考える際には、こうした追加の生活コストをしっかりと見積もり、全体的な支出計画を立てることが重要です。地方生活の魅力に惹かれる一方で、経済的な負担が予想外に増える可能性がある点には注意が必要です。
30代で地方の転職先を探す方法
地方への転職を成功させるためには、幅広い情報源を活用し、自分に合った職場を見つけることが重要です。ここでは、30代で地方に転職する際に役立つ具体的な方法を紹介します。
移住者向け求人サイトを活用する
地方への転職を考える際、移住者向けの求人サイトを活用することは非常に有効です。これらのサイトは、地方での生活を希望する人々に特化した求人情報を提供しており、地域ごとの求人情報を簡単に検索できます。例えば、移住支援サイトや地方特化型の求人ポータルでは、地元企業の詳細な情報や地域ごとの求人動向を把握できます。これにより、地方での転職活動をスムーズに進めることが可能です。
自治体の就業支援を利用する
多くの自治体では、移住者向けの就業支援プログラムや相談窓口を設けています。これらの支援を活用することで、地域企業とのマッチングをサポートしてもらうことが可能です。地方自治体では移住者向けに住宅支援や子育て支援を行っていることもあるので、移住にあたっては自治体のホームページなどを細かくチェックしてみましょう。これらの支援を活用することで、地域に根ざした生活をスムーズにスタートできます。
転職エージェントを活用する
転職エージェントを活用するのも効果的です。エージェントは、求職者と企業をつなぐ役割を担い、求人情報の提供だけでなく、履歴書や職務経歴書の添削、さらには面接対策まで幅広くサポートしてくれます。特に、地方の求人に強いエージェントを選ぶことで、地域に密着した情報や地元企業の非公開求人といった価値ある情報を手に入れることができます。また、エージェントは企業との条件交渉を代行してくれるため、給与や勤務条件の調整に自信がない方でも安心して転職活動を進めることが可能です。
エージェントからのアドバイス
ここで、九州・沖縄エリアに特化した転職支援サービスを提供する転職エージェント「リクパーキャリア」のコンサルタントから、30代の地方転職に関するアドバイスを紹介します。30代の転職において重要なのは、「今後のキャリアビジョン」をしっかりと考え、言語化することです。この年代は、スキルや経験が充実してくる一方で、プライベートでも様々な変化が訪れる時期でもあります。採用企業側は、転職希望者がどのようなキャリアを描いているのか、そしてそのビジョンが自社で実現可能かどうかを重視しています。
したがって、採用面接においても、「地元に戻りたい」「地方で生活したい」と説明するだけでは企業側としては物足りません。企業が知りたいのは「地元に戻った後で、どのようなキャリアを築きたいのか」という部分にあるからです。そのため、これからのキャリアで何を実現したいのか、40代にはどうなっていたいのか、プライベートな部分も含めて明確に答えられるように準備することが求められます。
30代はキャリアの折り返し地点とも言える時期であり、これまでに身に付けたスキルや経験を基に、今後のキャリアをどう進めていくかを考える重要なタイミングです。この年代は選択肢が多い分、かえって自分の進む方向を見失ってしまうことも珍しくありません。そのため、リクパーキャリアでは、キャリア面談を通じて「Uターンしてから、その後どうしたいか」を共に探りながら、最適なキャリアプランを考えるプロセスを大切にしています。
30代の地方転職成功事例
最後に、リクパーキャリアを利用して30代で地方への転職を成功させたBさんの事例を紹介します。
Bさんは大学進学と同時に上京し、大学卒業後は東京の上場企業で営業職としてキャリアを積んでいました。しかし、結婚を機に地元である長崎へのUターン転職を決意します。その背景には、地元長崎の経済発展に貢献したいという強い想いがありました。幼少期にご両親が地域活性化に積極的に取り組んでいた影響を受け、地域との深い結びつきの中で育ったBさんは、「いつかは自分も長崎の発展に携わりたい」と考えていたのです。
転職活動の結果、Bさんは、これまで経験してきた業界とは異なる地元のインフラ系企業で営業職の内定を獲得しました。この転職の勝因は、「東京で培った営業スキルをどのように地元で活かせるのか」、そして「なぜ地域貢献をしたいと考えるに至ったのか」をBさんが自身の言葉でしっかりアピールできたことにあります。また、10年後のキャリアビジョンについても具体的に説明したことで、企業側から好印象を得られました。
Bさんの事例が示す通り、地方への転職を成功させるためには、過去の経験に基づいたキャリアビジョンを明確に描き、それを的確に企業に伝えることが鍵となります。自分のバックグラウンドや将来の目標をしっかりと整理し、企業のビジョンとリンクさせながら、説得力のあるアピールができるよう準備することが大切です。
まとめ
自然豊かな環境で、より良いワークライフバランスを実現したいと考える方にとって、地方への転職は非常に魅力的な選択肢です。しかし、地方で自分の希望条件に合った転職先を見つけるのは簡単ではなく、長期的な計画と情報収集が必要です。
九州・沖縄エリアに特化した転職支援サービス「リクパーキャリア」では、地域に根ざした求人情報や、キャリア形成をサポートする豊富な経験を持つコンサルタントが、あなたの転職活動をサポートいたします。九州・沖縄で新しいキャリアをお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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アドバイス
- 監修者
- 下﨑 和志 (しもざき かずし)
人材エージェント事業部 マネジャー【国家資格 キャリアコンサルタント】
リクルーティング・パートナーズ株式会社 人材エージェント事業部 マネジャー。事業会社人事を経て、結婚・第一子誕生を機に地元福岡へUターン転職。ハイキャリアから次世代リーダーまで幅広い層の転職を支援。【国家資格 キャリアコンサルタント】