更新日[ 2024/10/31 ]
面接での転職理由の答え方とは?返答時のポイント、良い例・NG例を紹介
かつて終身雇用のイメージが強かった日本でも、入社後に同じ会社に勤め続ける人は減少傾向にあり、転職は決してネガティブなものではなくなりました。しかし、転職時の面接では必ずと言っていいほど「転職理由」を問われます。この質問にどう答えるべきか、不安を抱える人も多いのではないでしょうか。
この記事では、企業が求める「良い回答」と避けるべき「悪い回答」を例文と共に解説し、面接で自信を持って答えられるようポイントを丁寧にお伝えします。
参照元:我が国の構造問題・雇用慣行等について
※p.21をご覧ください。
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目次
- 【例文】よくある転職理由と答え方<良い回答例>
- スキルアップしたい
- スキルアップしたい場合の回答例
- 将来性のある会社で働きたい
- 将来性のある会社で働きたい場合の回答例
- ワークライフバランスを改善したい
- ワークライフバランスを改善したい場合の回答例
- スキルアップしたい
- 【例文】よくある転職理由と答え方<NG回答例>
- NGな回答例
- 面接で転職理由を答える際のポイント
- 不平不満で終わらせない
- 転職理由を他責にしない
- 嘘はつかない
- 志望動機との関連性を意識する
- 具体的なエピソードを入れる
- 企業はなぜ、採用面接で「転職理由」を尋ねるのか?
- 採用後の定着性について確認したい
- 問題解決能力を把握したい
- 自社との相性を確かめたい
- まとめ
【例文】よくある転職理由と答え方<良い回答例>
前職を辞めた理由を採用担当者に納得してもらい、さらに「一緒に働きたい」と思ってもらうには、まず転職理由が明確であること、そしてそれを分かりやすく伝えることが大切です。ここでは、採用担当者に良い印象を与える回答例を「スキルアップしたい」「将来性のある会社で働きたい」「ワークライフバランスを改善したい」といった転職理由ごとにご紹介します。
スキルアップしたい
スキルアップ(キャリアアップ)のために転職する場合であっても、そのことだけを前面に打ち出すと、採用担当者が「スキルが身についたら、自社もすぐに辞めるのでは?」と不安を抱くかもしれません。こうした不安を払拭するためにも、入社した場合には長く働くつもりであることを伝えることが重要です。また、求職者自身のスキルアップが企業にも利益をもたらすことを具体的に説明するよう心掛けましょう。
スキルアップしたい場合の回答例
「現職では、主に社内の既存システムの保守・運用を担当しています。非常に重要な役割であることを痛感する日々ですが、世の中に新しい技術が続々と登場するのを目の当たりにして、自分自身も新たなシステムの構築に携わりたいと考えるようになりました。そうした折、御社では新しいテクノロジーを活用して、企業価値の向上につなげる取り組みをされているとWebサイトで拝見しました。これまで現場で培った対応力と、アップデートを続けてきた知識を活かし、御社で新しい顧客層にもアプローチできるシステムの構築に携わりたいと考えております。」
将来性のある会社で働きたい
何らかの理由で勤務先の将来性に不安がある場合、採用担当者に「この人が感じている不安は、確かに妥当なものだ」と共感してもらう必要があります。しかし、愚痴めいた言い方をしてしまっては、詳しい状況までは分からない採用担当者に「この人の言い分を信じてもよいのだろうか」とマイナスな印象を与えてしまうかもしれません。希望する働き方や志望企業の経営理念などと関連づけながら、ポジティブにまとめることをおすすめします。客観的に判断してもらえるよう、数字などのデータを用いるのが効果的です。
将来性のある会社で働きたい場合の回答例
「前職では、長時間残業が常態化し、セキュリティ意識が十分ではありませんでした。上長に法令遵守の重要性を訴え続けましたが、受け入れられなかったため、転職を決意しました。御社では法令遵守を掲げ、コンプライアンスの強化やSDGsへの取り組みを通して、企業価値を積極的に向上させようとしていることを知りました。前職では、私の所属部署がセキュリティ事故を防ぐ最後の砦として、さまざまな対策を実施してきました。その経験を活かし、御社では特にセキュリティ面に配慮した、堅牢なシステムの構築・運用に携わりたいと考えております。」
ワークライフバランスを改善したい
現職での業務そのものには大きな不満はなくても、ワークライフバランスが取れていなければ、心身には大きな悪影響を受けてしまいます。キャリアの構築を長期的に考えた場合には、ワークライフバランスを重視するのは当然のことです。ただし、面接でそのまま回答してしまうと「意欲が低いのでは?」「仕事量が増えると辞めてしまうのでは?」と、採用担当者に捉えられてしまうかもしれません。次のように、ワークライフバランスに重きを置いている理由を、客観的に伝えることがポイントです。
ワークライフバランスを改善したい場合の回答例
「私にはまだ小さな子どもがいますが、現在、育児は他社で時短勤務を行っている妻のみが担っており、妻に負担が大きく偏っている状態です。そのため私も現職で時短勤務を申請しましたが、「女性はともかく、男性には前例がない」との理由で承認されなかったことから、転職を決意しました。御社では、多様な働き方を選べるだけでなく、一人ひとりのキャリアプランを汲んだ人材活用をされていると伺っております。これまでに培ってきた経験を活かし、リモートワークなども活用させていただきながら、育児による時短勤務を選択する男性のロールモデルとなりたいと考えております。」
【例文】よくある転職理由と答え方<NG回答例>
反対に、面接で次のような回答をしてしまうと、採用担当者が「この人を採用してもよいのだろうか?」と不安を抱くかもしれません。よくあるNG例が「上司への不満」を挙げているだけの回答です。
NGな回答例
「前職の上司は叱責するのみで、私の提出した企画書はひとつも通してもらえませんでした。自分自身では対策を取れないことばかりについて指摘され、パワハラまがいの嫌がらせも多いと感じていました。そうしたこともあり、前職で業務を続ける意欲を失ってしまいました。」
実際に求職者の訴える通りだったとしても、採用担当者にはそれが事実かどうかを判断する術はありません。「求職者が上司に叱責されるようなことをしたのでは?」「自分から動こうとしなかったのでは?」などと思われてしまうかもしれず、採用担当者に決してポジティブな印象を与えることはできません。「現状の継続を重視する職場において、さまざまな改善案を提案したものの、実現までには至りませんでした」など、問題を解決するために積極的に働きかけてきたというポジティブな姿勢が伝わるように話しましょう。
面接で転職理由を答える際のポイント
面接で転職の理由を尋ねられた場合には「実際の出来事」と「自分自身の感情」とをよく整理したうえで回答することが大切です。その際にポイントとして押さえておきたいのは、
・不平不満で終わらせない
・転職理由を他責にしない
・嘘はつかない
・志望動機との関連性を意識する
・具体的なエピソードを入れる
といったことです。
不平不満で終わらせない
上述した通り、面接での回答で不平不満・愚痴など、採用担当者にネガティブな印象を与えるような発言は避けるべきです。一般的に、企業の採用面接で求職者に転職理由を尋ねるのは「チームと協働して業務を遂行できるか」「自分自身の落ち度を棚に上げて、周囲や環境のせいにしていないか」といったことを知りたいからです。ネガティブな内容が多いと、協調性がない、他己責任ばかりを主張するという印象をもたれてしまいます。話の途中で思わずネガティブな表現が出てしまうことは致し方ないとしても、最終的にはポジティブな印象が残るような話でまとめましょう。
転職理由を他責にしない
繰り返しになりますが、転職理由を「上司との相性がよくなかった」「人間関係が複雑だった」などの他責(他己責任)にしないことが大切です。加えて、採用担当者からの質問に対して、主体性のない回答をするのは避けましょう。例えば、Uターン・Iターン・Jターンで「パートナーの転勤にともなって」といった回答からは応募者の主体性は感じられません。実際にそうであったとしても、当該企業への応募を決めたのは自分自身であり、そこには必ず理由があるはずです。転職(応募)理由を環境や状況に求めるのではなく、主体性のある、明確な理由を答えるようにしましょう。
嘘はつかない
先に「最終的にはポジティブな印象が残るような話でまとめましょう」と述べましたが、ポジティブに結論付けようとするあまり、結果的に話に「嘘」が含まれてしまってはいけません。本当の理由を隠して取り繕おうとすると、話から一貫性が失われてしまいます。採用担当者が「何か隠しているのでは?」「言えないような理由があるのでは?」と疑念をもち、「あまり信頼できない人かもしれない」と判断される可能性があります。求職者の話に嘘が含まれていたために、採用後にミスマッチが発生するかもしれません。双方にメリットがないため、面接時にはすべて事実を踏まえた話をしてください。もちろん、プライバシーに関わることなど、答える必要のないことは言わなくても差し支えありません。
志望動機との関連性を意識する
多くの求職者にとって、転職理由と志望動機は密接に関わっています。面接では、転職理由と志望動機は必ず聞かれる質問であり、自己分析と企業分析とを十分に行ったうえで、一貫性のある具体的なストーリーに沿った回答を準備しておくことが重要です。例えば、退職理由が「スキルアップのため」であるのに対し、志望動機が「御社の待遇に魅力を感じたため」となると、回答に一貫性が欠け、結果的に採用担当者に良い印象を与えられません。
具体的なエピソードを入れる
抽象的な表現は極力避け、具体的なエピソードを交えることが非常に重要です。例えば、自己都合で退職届を提出するときには「一身上の都合」と書くのが慣例ですが、採用面接で退職理由を尋ねられた場合には「一身上の都合」と答えてはいけません。退職届や退職願と採用面接とはまったく別ものです。採用担当者が「何か問題を起こしたのだろうか?」「成果を上げられなかったのだろうか?」などと警戒してしまうかもしれません。具体的には、「育児中のため時短勤務を希望しましたが、育休取得前に比べて給与が下げられ、担当業務も望んだものではありませんでした。上長と人事部に話をしてみましたが、時短勤務を行える部門は限られているとの理由で希望が叶わなかったため、退職を決意しました」といった具体的なエピソードを交えて答えましょう。
企業はなぜ、採用面接で「転職理由」を尋ねるのか?
この質問の答えを知るためには、自分が採用担当者の立場に立って、求職者に転職理由を尋ねる理由を考えてみるとわかりやすいかもしれません。簡単にまとめると、
・採用後の定着性について確認したい
・問題解決能力を把握したい
・自社との相性を確かめたい
の3点に集約されます。
採用後の定着性について確認したい
企業が面接で転職理由を尋ねる背景には、「採用したとしても、前職と同じ理由ですぐに辞めてしまわないかを見極めたい」という意図があります。人材の採用・教育にはさまざまなコストがかかり、早期離職率が高くなれば、会社の評判にも関わります。企業は、採用した人材にはできるだけ長く定着してほしいと考えています(もちろん人材に問題がある場合は別ですが)。求職者が「上司と相性が悪かった」「職場環境に馴染めなかった」「人間関係が合わなかった」などと回答すれば、採用担当者は「何らかのアクションを取れば改善したのではないか。何もせずに、すぐに諦めてしまったのだろうか」「トラブルが発生しても、周囲と協調して積極的に対応しないのではないか」などと考え、採用候補から外してしまうかもしれません。
問題解決能力を把握したい
「問題が発生した場合、どのように行動して解決するのか」という問題解決能力も把握したいというのが二つめの意図です。例えば、上司との相性が悪かった場合、「コミュニケーションの取り方を見直し、他部署への配置転換も願い出ましたが、認められなかったため退職しました」など、「自主的に動いたが状況は変わらなかったので、最善のアプローチとして退職・転職を決意した」ことが明確に伝わるようにしましょう。
自社との相性を確かめたい
早期離職の理由のひとつとして、入社後のミスマッチが挙げられます。求職者が会社に対して過度な期待をもっている場合には、入社後に直面する現実と、抱いていた期待とのズレでモチベーションが低下し、「こんなはずではなかったのに」と早期離職してしまうかもしれません。これでは企業にとっても求職者にとってもデメリットにしかなりません。採用担当者は事前に「自社のビジネス戦略と求職者の志望動機とが噛み合っているか」を確かめたいと考えています。そのために「入社後に達成したい長期的なキャリアプランを聞かせてください」といった質問もします。
まとめ
転職理由は、面接では必ず聞かれる質問です。回答する際は、事実を踏まえながら、面接担当者にポジティブな印象を与えるように心がけることが重要です。不安や疑問がある場合は、転職エージェントに相談してみることも有効です。
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アドバイス
- 監修者
- 下﨑 和志 (しもざき かずし)
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