更新日[ 2024/12/27 ]
キャリアの考え方|キャリアプランの作り方と思いつかないときのヒント
今後のキャリアについて悩み、明確にできずにいる方は多いのではないでしょうか。
キャリアプランは、自分の目指す方向を見つけるだけでなく、転職面接でも頻繁に問われる重要なテーマです。
本記事では、キャリアプランを作成する方法や、転職面接での答え方のポイントを具体例を交えて解説します。ぜひ、キャリアプランの構築にお役立てください。
「【キャリアプラン】についてお悩みではないですか?
- キャリアプランの作成手順がわからず悩んでいる
- 転職面接でキャリアプランを聞かれたらどう答えれば良いか分からない
- キャリアの「Will・Can・Must」を整理する方法が分からない
目次
- これからのキャリアの考え方
- キャリアプランとは?
- キャリアプランを達成するには「キャリア形成」が重要
- キャリアプラン作成法| 基本の3ステップ
- 1.「過去の経験」と「現在の状況」を整理する
- 2.「最終的な自分の理想像」を想定する
- 3.理想像から逆算して今後やるべき行動の計画を立てる
- キャリアプランが思いつかない時のコツ
- 「Will・Can・Must」を軸に考える
- やりたくないことを明確にする
- 自分のロールモデルとなる人を見つける
- 人に相談して思考を整理する
- 転職エージェントによる「キャリアプランを考える時のポイント」
- 【参考】転職面接でのキャリアプランの回答例
- ◆技術職
- ◆営業職
- ◆人事職
- まとめ
これからのキャリアの考え方
転職活動において、なぜキャリアプランを考えることが必要なのでしょうか。
まずは、キャリアプランとは何かを確認し、その重要性について正しく理解しておきましょう。
キャリアプランとは?
キャリアプランとは、将来のキャリアゴールを達成するための戦略を具体化したものです。短期的な目標だけでなく、長期的な視点で自身のスキルや経験をどのように積み重ね、価値を最大化していくかを描く計画を指します。この計画を基に、転職、独立、資格取得などのアクションを明確にしていくことができます。
例えば、「金融システムの大規模案件でプロジェクトマネジメントを担いたい」という目標を持っているとします。その目標に向けて、「現職のままで目指せるのか」「必要なスキルは何か」「どのような経験を積むべきか」を具体的に考え、実現に向けた道筋を立てることがキャリアプランの基本的な考え方です。
なお、キャリアプランは仕事に特化した計画であり、私生活の目標は含みません。あくまで職業上のゴールを達成するための行動計画を意味します。これを明確にすることで、転職やスキルアップを戦略的に進めることが可能となります。
キャリアプランを達成するには「キャリア形成」が重要
キャリアプランを実現するためには、キャリア形成が欠かせません。厚生労働省ではキャリア形成を「関連した職務経験の連鎖を通じて職業能力を形成していくこと」と定義しています。つまり、現在の業務に関連するスキルを習得し、経験を積み重ねることで、自分の価値を高めていく考え方を指します。
現在、多くの業務で自動化が進んでいるほか、終身雇用制の崩壊が進む中で、主体的にスキルを習得し、自分自身でキャリアを形成する必要性が高まっています。キャリア形成は単なるスキルアップにとどまらず、企業において持続的に価値を提供し続けるための基盤を築くことを意味します。これにより、企業内外での競争力を確保し、キャリアの持続的な成長を実現することが求められます。
キャリア形成は、短期的な成果だけでなく、長期的な視野を持って計画的に進めることが大切です。企業における役割や求められるスキルを理解し、自分自身の成長につなげる努力を積み重ねることで、キャリアプランを具体的に実現していくことができます。
引用:厚生労働省|「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書について
キャリアプラン作成法| 基本の3ステップ
漠然と考えるだけでは、キャリアプランを明確にすることは難しいでしょう。
具体的で現実的な計画を作成するためには、以下の3つの手順に沿って整理してみることが重要です。
1.「過去の経験」と「現在の状況」を整理する
2.「最終的な自分の理想像」を想定する
3.理想像から逆算して今後やるべき行動の計画を立てる
それぞれのステップのポイントについて詳しく解説します。
1.「過去の経験」と「現在の状況」を整理する
まずは、過去の経験を振り返り、自分の強みや価値観を整理することから始めましょう。「自分の一番の強みは何か」「どのような状況でモチベーションが高まるのか」を明らかにすることが、キャリアプラン作成の第一歩です。
現在の状況を体系的に整理することで、現時点での自分の強みと弱みを明確にし、これらを将来的にどのように活かし、補完していくかの具体的な道筋を見出すことが可能になります。このプロセスを通じて、自分の現在地を正確に把握し、次の行動を明確にする基盤を作ります。
ここで特に重要なのは、客観的な視点を持つことです。例えば、自分では「マネジメント能力が強み」と考えていても、他者から見た評価が異なる場合があります。自己評価と他者評価のギャップが大きいと、適切なキャリアプランを作成する妨げになることがあります。そのため、過去の経験や強みを整理する際には、信頼できる同僚や上司、家族などから意見をもらい、客観的な視点を取り入れることが欠かせません。
2.「最終的な自分の理想像」を想定する
現在の状況を整理した後は、将来どのような自分になりたいかを具体的にイメージすることが重要です。「特定のプロジェクトに携わりたい」「〇〇のポジションに就きたい」など、具体的な目標を思い描くことで、キャリアの方向性がより明確になります。
また、1年後・3年後・5年後といったタイムフレームを設定して理想像を実現するまでの期間を見積もると効果的です。期間を設定しないキャリアプランでは、行動を先延ばしにしてしまうリスクがあります。そのため、達成可能かつ現実的な期間を設けることが重要です。
長期的なビジョンを設定することで、キャリア全体の方向性が定まり、短期的な目標を設定することで、そのビジョンを実現するための具体的なステップが明確になります。
3.理想像から逆算して今後やるべき行動の計画を立てる
理想像をイメージしたら、次はその実現に向けて具体的な行動計画を逆算して立てましょう。「なりたい自分」に対して、現在の自分には何が足りないのか、どのスキルを身に付ける必要があるのかを明確にすることが大切です。
例えば、理想像に必要なスキルや経験が現職では得られないと判断した場合、転職や独立といった選択肢を検討することも視野に入れるべきです。その際、目標に沿った行動を優先し、無理なく達成可能な計画を立てるよう心掛けましょう。
理想像がまだ明確になっていない場合でも、現在の仕事に全力を尽くすことは有効です。日々の業務を通じて、自分の強みや不足点に気づき、自然と目指すべき方向性が見えてくることもあります。
また、キャリアプランは固定的なものではなく、状況や目標の変化に応じて柔軟に見直す必要があります。定期的に自身の進捗状況を評価し、プランを更新することで、常に最適な方向性を維持することができます。
キャリアプランが思いつかない時のコツ
理想像や将来実現したい目標がまだ明確でなく、キャリアプランを具体的に描けない方も多いでしょう。そのような場合、以下の方法を参考に考えを整理してみてください。
「Will・Can・Must」を軸に考える
「Will・Can・Must」と呼ばれるフレームワークを活用することが効果的です。このフレームワークでは、「Will(やりたいこと)」「Can(できること)」「Must(やるべきこと)」の3つを軸に思考を整理します。これにより、自分のやりたいことと現状のスキルや課題を明確化できます。
例えば、エンジニアを例に挙げると以下のように整理できます。
・Will(やりたいこと)→AIのアルゴリズム設計に携わりたい
・Can(できること)→総合電機メーカーでの勤務経験から、AIを使った製品への深い理解がある
・Must(やるべきこと)→プログラミングや機械学習のスキルが不足しているため、これらを学ぶ必要がある
このように整理すると、Can(できること)は自分の強みとして認識でき、Must(やるべきこと)は課題として具体化されます。これにより、自分がどの方向に進むべきか、今後必要な経験やスキルが何であるかが明確になります。
やりたくないことを明確にする
「やりたくないこと」を基軸に考える方法も、キャリアプランを考える際に有効です。やりたいことが見つからない場合でも、その逆である「やりたくないこと」は比較的簡単に思い浮かぶことが多いです。この方法により、自分に合わない仕事や環境を避けることで、理想のキャリア像に近づく手がかりを得ることができます。
例えば、プログラマーとして働いてきた方が、やりたくないことを洗い出した結果、「下流工程ばかりを担当する仕事は避けたい」という思いに気づいたとします。この気づきをきっかけに、「上流工程の業務に携わるにはどのようなスキルや経験が必要か」「そのために転職が必要か」など、具体的なキャリアプランを構築する方向性が見えてきます。
自分のロールモデルとなる人を見つける
自分のキャリアを考える上で、周りの人を参考にするのは有効な方法のひとつです。「この人のようになりたい」という視点を持つことで、自分のやりたいことや理想像がより具体的に見えてきます。ロールモデルは身近な人に限らず、同じ分野で成功した人物や、歴史上の偉人なども参考になります。
ロールモデルとなる人物を見つけたら、その人の行動や考え方を注意深く観察しましょう。そして、どの点が尊敬に値するのかを具体的に考えます。たとえば、ロールモデルが持つスキル、仕事に対する姿勢、問題解決能力、またはリーダーシップといった特性を見つけ、それと自分を比較することで、自分に足りないものが明確になります。その結果、今後取るべき具体的な行動や必要なスキルが見えてくるでしょう。
人に相談して思考を整理する
自分だけで考えてキャリアプランをイメージするのが難しい場合、他者に相談するのは効果的な方法です。客観的な視点からのアドバイスを受けることで、自分では気づかなかった強みや課題を発見できる可能性があります。
たとえば、社内の上司や先輩をロールモデルとして考えている場合は、その人のキャリアプランや考え方について直接質問してみましょう。経験を共有してもらうことで、具体的な目標設定やキャリア形成のヒントが得られることがあります。
さらに、転職エージェントのようなプロフェッショナルに相談することも非常に有効です。転職エージェントは多様なキャリア事例に精通しており、似た境遇の人々がどのようなキャリアを築いてきたかを参考にすることができます。また、エージェントは経験やスキルの棚卸しをサポートしてくれるため、自分の強みや可能性をより明確に把握する手助けをしてくれます。
転職エージェントによる「キャリアプランを考える時のポイント」
キャリアプランを考える際には、まず過去の業務を棚卸しすることが最も重要です。これまでの経験で培った能力やスキルを整理し、それらを今後どのように活かしていきたいかを考えることで、自分のキャリアの方向性が見えてきます。
また、5年後や10年後といった時間軸で理想像を明確にすることも大切です。この理想像は、「どのような影響を社内外に与える存在になりたいか」「どのような形で社会や企業に貢献したいか」といった観点から考えると具体性が増します。たとえば、「5年後にはプロジェクトマネージャーとして10名以上のチームを率いる」「10年後には新規事業の立ち上げに携わる」といった具体的な目標を設定すると、キャリアプランの実現に向けた行動が明確になります。
キャリアプランは転職面接でも頻繁に問われる項目です。「どのような状態になっていたいか」が具体的であるほど、説得力のある回答となります。過去の業務と照らし合わせながら考えることが重要です。
【参考】転職面接でのキャリアプランの回答例
キャリアプランに関する質問は、転職面接で頻繁に聞かれるテーマです。以下では、職種ごとに実践的な回答例を紹介します。
このような回答例を参考に、将来のビジョンとその実現可能性を面接官に効果的に示すことを目指しましょう。
また、面接では回答に対して深掘りされることが多いため、事前にしっかりと準備を行うことが重要です。
◆技術職
「私は、AI分野における高度な知識を持つエンジニアを目指しています。現職では、組み込みエンジニアとしてデジタルカメラをはじめとするイメージングデバイスのソフトウェア開発に従事しており、この業務を通じてIoTやAIへの関心が高まりました。現在は、機械学習やプログラミングスキルの習得を進めています。5年後には、産業用ロボットの開発プロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーとして活躍し、御社の技術革新に貢献できる存在を目指しています。」
<ポイント>
技術職のキャリアプランは、興味のある分野を明確にすることが重要です。さらに、現時点での自身のスキルセットや過去の実績を明確に伝えることで、面接官に入社後の貢献度を具体的にイメージしてもらいやすくなります。
◆営業職
「私はインサイドセールスのプロフェッショナルとして活躍することを目指しております。現職においては、営業とマーケティングの双方の業務に従事し、相互の目標や戦略について深く学ぶ機会を得ました。この業務経験を通じて、立場の違いから対立することも多々ありましたが、そうした状況において両者を結びつける役割に興味を持ちました。これまでに培ったヒアリングスキルや分析力を非対面のコミュニケーションでも活用し、5年後にはインサイドセールスのマネージャーとして育成やチームマネジメントに携わりたいと考えております。」
<ポイント>
営業職には、新規開拓営業、ルート営業、インサイドセールスなど、さまざまな種類があります。キャリアプランを構築する際には、自身がどの種類の営業に注力したいのか、また、その分野で具体的にどのような成果を実現したいのかを明確にしましょう。また、自分の経験を活かしながら、どのようにスキルを発展させ、組織に貢献するかを具体的に伝えると効果的です。
◆人事職
「私は採用戦略の立案に深く携わることを目指しています。まずは新卒採用を担当し、企業の経営戦略や人事に関連する知識とスキルを着実に身に付けていきたいと考えています。また、自身の知識や経験を客観的に証明するため、入社5年以内にキャリアコンサルタントの資格取得を予定しています。その後、中途採用や社員育成の分野にも挑戦し、10年目には採用戦略の立案に深く関与し、企業の成長を支える人事部門の中心的な存在となることが私のキャリアプランです。」
<ポイント>
人事職は、採用戦略から人材育成まで幅広い業務を担当します。そのため、応募者がどの分野に注力したいのか、具体的な目標を明確にしておくことが重要です。特に「採用戦略の立案に携わりたい」といった長期的なビジョンを示しつつ、資格取得やスキルアップといった具体的なアクションプランを加えることで、実現可能性をアピールできます。また、自身のキャリアが企業の経営目標とどのようにリンクするかを説明することで、面接官に強い印象を与えることができます。
まとめ
キャリアプランが明確に描けない場合、信頼できる専門家や業界のプロフェッショナルに相談することで、多角的な視点からのフィードバックを得ることが重要です。自身のキャリアの方向性を的確に見定め、将来の成功に向けた道筋を構築することが可能になります。
「リクパーキャリア」では、キャリアの岐路に立つ方々が自己の軸を見出し、理想のキャリアを築けるよう支援を行っています。九州・沖縄エリアでの転職をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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- 髙野 智愛 (たかの ちより)
キャリアアドバイザー【国家資格 キャリアコンサルタント】
海外大学卒業後、大手製造小売企業に新卒入社。同人事部において年間400名を超える国内外の採用業務に従事。 その後、結婚・第2子出産を機に転職し、誰かのターニングポイントに関わりつつ、地元九州へ恩返しをしたいという想いからキャリアアドバイザーへ転身。 若手層を中心に、いち社会人として、時には女性として、母としてなど様々な視点から転職支援を行っています。
【国家資格 キャリアコンサルタント】