更新日[ 2024/12/10 ]
転職回数が多いと面接で不利?転職理由を聞かれた際の回答例も紹介
転職回数が多いと、企業の採用担当者に早期離職を懸念され、あまり良い印象を持たれないこともあります。
しかし、実際には転職回数が多くても、希望の職場への転職を成功させた方は数多くいます。
本記事では、転職回数が多い理由を尋ねられた際の答え方のコツや注意点、回答例を詳しく解説します。転職回数の多さに不安を感じている方は、ぜひ今後の参考にしてください。
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目次
- 転職回数が多いと面接で不利になる?
- 自分の転職回数は多い?日本人の平均転職回数
- 20代の平均転職回数
- 30代の平均転職回数
- 面接で転職回数が多い理由を聞かれた際の回答のコツ
- 退職理由に一貫性があったことを伝える
- ポジティブな退職理由に言い換える
- 面接で転職回数が多い理由を答える際の注意点
- 嘘の理由を話さない
- すべてを説明する必要はない
- 不満や愚痴だけで終わらせない
- 面接で転職回数が多い理由を聞かれた際の回答例
- キャリアアップを理由にする際の回答例
- パワハラ・セクハラを理由にする際の回答例
- 転職回数が多くて不安なら「転職エージェント」への相談がおすすめ
- まとめ
転職回数が多いと面接で不利になる?
一般的に、「転職回数が多いと面接で不利になるかもしれない」と考える方は多いでしょう。実際、応募者の転職回数が多いと、企業の採用担当者は「飽きっぽい性格なのでは」「すぐに辞めてしまうのでは」といった懸念を抱く傾向があります。
多くの企業は、採用活動や人材育成に多大なコストと時間をかけているため、早期に離職したり、業務を途中で投げ出したりする人は「できれば避けたい」と考えるのが一般的です。長期的に貢献してくれる人材を採用したいという思いから、転職回数が多いと慎重な姿勢になる場合もあります。
とはいえ、転職回数が多いことが必ずしも不利になるわけではありません。時代とともに価値観が多様化し、近年では自分に合った仕事を見つけるためにさまざまな職種に挑戦する人も増えています。転職回数が多くても、採用担当者が納得できる理由を説明し、明確なキャリアパスを示すことで好印象を与えることは十分可能です。
自分の転職回数は多い?日本人の平均転職回数
そもそも、どのくらいの回数で「転職回数が多い」と判断されるのでしょうか。ここでは、20代と30代の平均的な転職回数を整理してみました。
20代の平均転職回数
20代の平均転職回数は、およそ1~2回とされています。政府統計の総合窓口「e-Stat」が公開している「雇用の構造に関する実態調査 転職者実態調査(令和2年)」によると、20~24歳で1回の転職経験者は「69.7%」です。続いて、2回が「16.9%」、3回が「9.9%」となっています。
また、25~29歳では1回の転職経験者が「49.3%」、2回が「23.9%」、3回が「17.8%」という結果が出ています。20代後半になると、2回以上の転職を経験している人が増加していることがわかります。
参照元:e-Stat「雇用の構造に関する実態調査|(表番号6)性・年齢階級・最終学歴・現在の勤め先での職種、転職回数別転職者割合」
30代の平均転職回数
30代の平均転職回数は、およそ3~4回とされています。同資料によると、30~34歳での転職経験者は、1回が「27.1%」、2回が「24.9%」、3回が「23.6%」、4回が「14.8%」でした。5回になると「3.5%」と、一気に数値が低くなっています。
また、35~39歳では1回の転職経験者が「14.6%」、2回が「22.2%」、3回が「25%」、4回が「17.5%」、5回が「8.3%」となっています。
30代前半では、「より良い待遇の職場で働きたい」「キャリアアップを目指したい」といった理由で転職をするケースが一般的です。30代後半になると、ライフスタイルの変化に伴い、ワークライフバランスを重視できる職場や、安定感のある環境を求めて転職を考える傾向が見られます。
参照元:e-Stat「雇用の構造に関する実態調査|(表番号6)性・年齢階級・最終学歴・現在の勤め先での職種、転職回数別転職者割合」
面接で転職回数が多い理由を聞かれた際の回答のコツ
これまでの職歴は履歴書や職務経歴書に記載するため、面接で採用担当者から転職回数が多い理由を問われる可能性は大いにあります。その際は、以下のポイントを踏まえて回答しましょう。
退職理由に一貫性があったことを伝える
採用担当者に、「計画的にキャリアを歩んできた人材である」と判断してもらえるよう、一貫性のある退職理由を伝えましょう。「待遇が悪かった」「人間関係がよくなかった」「他にやりたいことが見つかった」など、退職理由に一貫性がないと、「自社でも同じ理由で辞めるのでは」と、ネガティブな印象を与える可能性があります。
例えば、「高度な営業スキルを習得するために、さまざまな会社で多様な商材を扱ってきた」と説明すると、説得力が増します。また、「幅広い業務に対応し、マルチに活躍できるITエンジニアを目指して複数の企業で経験を積んできた」という理由も、効果的なアピールとなります。
ただ転職を繰り返してきただけではなく、自分の目標を達成するため、理想とする将来像に近づくための転職であったことを強調すれば、印象が大きく変わるでしょう。
ポジティブな退職理由に言い換える
面接では、正直に答えることが基本ですが、あまりにも率直すぎると採用担当者にネガティブな印象を与えることもあります。たとえ「人間関係がよくなかった」といったマイナスの退職理由であっても、伝え方を工夫することで、印象をポジティブに変えることが可能です。
たとえば、「人間関係がよくなかった」ではなく、「もっとチームで協力し合える職場で自分の力を発揮したい」という表現にするのが望ましいでしょう。「待遇がよくなかった」や「自分の努力が評価されなかった」という理由も、「努力や成果を正当に評価してもらえる企業で貢献したい」と伝えると、好印象を与えられます。
面接で転職回数が多い理由を答える際の注意点
面接では、嘘の退職理由を伝えることは避けましょう。また、回答の大半が愚痴や不満になってしまうと、採用担当者にネガティブな印象を与える可能性があるため、注意が必要です。
嘘の理由を話さない
転職回数が多い理由を問われた際に、嘘をつくのは避けるべきです。企業の採用担当者は「人を見るプロ」として、多くの応募者に接してきているため、明らかな嘘は見抜かれてしまう可能性があります。面接では誠実かつ正直に伝えることが何より大切です。
また、面接中はごまかせても、後から嘘が発覚するリスクもあります。応募先と前職の企業が取引をしている可能性や、採用担当者と前職の上司が個人的なつながりを持っている可能性もゼロではありません。後から嘘が発覚すれば、信頼を失うだけでなく、場合によっては内定が取り消されることもあります。
退職理由がネガティブで言いづらくても、伝え方を工夫すれば好印象を与えることが可能です。うまくポジティブな理由に変換することを意識しましょう。
すべてを説明する必要はない
「面接ではすべてを正直に説明しないといけない」と考える方もいますが、その必要はありません。転職回数が複数回ある場合、すべての理由を詳細に説明しようとすると、面接時間が長くなりすぎてしまいます。限られた時間の中で、自分の強みや入社後の貢献についてアピールする時間も確保することが大切です。
面接でスムーズに答えられる自信がない場合は、事前に退職理由を整理しておきましょう。まずはすべての退職理由をリストアップし、要点を簡潔にまとめてひとつの文章にします。重要なのは、「すべての退職理由に一貫した軸があること」と「共通するテーマやゴールがある点を伝えること」です。
不満や愚痴だけで終わらせない
面接は、応募者の不満や愚痴を聞く場ではありません。不満の内容によっては採用担当者から共感を得られることもありますが、愚痴に終始してしまうと良い印象を与えにくくなります。たとえ不満があったとしても、軽く触れる程度にとどめ、その後はポジティブな内容で話を進めることが望ましいです。
不満がある場合も、その内容次第で好印象を与えることができます。不満だけで終わらせず、「それをどう乗り越えたのか」「そこから何を学んだのか」を伝えましょう。
たとえば、「前職の部署でチームワークに課題を感じたが、その経験からコミュニケーションの大切さを再認識できた」や「上司の厳しい指導を受け、強靭な精神力や規律を重んじる大切さを学んだ」といった、ポジティブな結果で締めくくる伝え方がおすすめです。
面接で転職回数が多い理由を聞かれた際の回答例
「どうしても転職回数が多い理由がうまく説明できない」と悩んでいる方に向けて、具体的な回答例をご紹介します。ぜひそのまま使うのではなく、自分なりにアレンジして活用してみてください。
キャリアアップを理由にする際の回答例
キャリアアップを転職の理由に挙げる場合は、明確なキャリアパスや目標を示すことが重要です。「現職では理想のキャリアパスが実現しづらい」「目標に到達するには転職が必要」といった点をアピールしましょう。
【回答例】
現職では特定の古い技術に固執しており、新たな技術の導入がほとんど進んでいない状況でした。現状を維持する安定さも大切ですが、それ以上に私は自分の知識やスキルなどの能力をさらに高めて成長したいと考えています。現職ではそれが難しいと判断したため、転職を決意しました。御社では新たなテクノロジーの導入を積極的に進めているため、御社とともに自分も成長していけることを確信しています。入社後は少しでも早く新たな環境に慣れ、御社の利益拡大に貢献できるよう努めてまいります。
パワハラ・セクハラを理由にする際の回答例
パワハラやセクハラを理由に転職した場合、腹立たしい感情を表に出しすぎないことが大切です。前職の批判に終始するのではなく、ハラスメントから解放された今後の展望をポジティブに伝えましょう。
【回答例】
私が職場に求める条件のひとつは、チームで協力しながら働ける環境です。残念ながら、前職にはそのような環境がありませんでした。御社は風通しのよい企業文化が根付いており、従業員の意見にしっかり耳を傾けるなど、よいチームワークの構築を大切にしているとお聞きしています。そうした企業文化や組織体制こそ、私が求めていたものです。入社後はチームワークを活かせる職場環境のもとでスキルを磨き、御社の生産性向上に貢献したいと考えています。
転職回数が多くて不安なら「転職エージェント」への相談がおすすめ
「転職回数が多く、面接での説明に不安がある」という悩みがある場合、転職エージェントに相談して考えを整理するという方法もあります。
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まとめ
転職回数が多いからといって、必ずしも面接で不利になるわけではありません。
転職に一貫したテーマやキャリアパスがあることを説明し、ネガティブな理由はポジティブな表現に変えて伝えることで、採用の可能性が高まります。
諦めずにポジティブな姿勢で転職活動に取り組み、内定獲得を目指しましょう。
▼転職理由についてはこちらの記事もご参照ください▼
転職理由と志望動機の違い&一貫性のある履歴書の書き方【例文つき】
▼面接対策についてはこちらの記事もご参照ください▼
転職の面接で成功体験を聞かれたときの答え方【例文つき】
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- 監修者
- 下﨑 和志 (しもざき かずし)
人材エージェント事業部 マネジャー【国家資格 キャリアコンサルタント】
リクルーティング・パートナーズ株式会社 人材エージェント事業部 マネジャー。事業会社人事を経て、結婚・第一子誕生を機に地元福岡へUターン転職。ハイキャリアから次世代リーダーまで幅広い層の転職を支援。【国家資格 キャリアコンサルタント】