更新日[ 2024/12/26 ]
転職理由と志望動機の違い&一貫性のある履歴書の書き方【例文つき】
転職活動において、「転職理由」と「志望動機」は企業が自社に適した人材かどうかを見極めるための重要な要素です。
しかし、この二つの違いを明確に理解していない求職者も少なくありません。
この記事では、「転職理由」と「志望動機」の違いを分かりやすく解説し、面接や履歴書で効果的に伝えるためのポイントと、実際に使える例文を紹介します。
こんなお悩みありませんか?
- 転職理由に説得力を持たせるためにはどうすればよいか悩んでいる
- 履歴書や職務経歴書をどのように作成するかが分からない
- 企業の求人内容をうまく自分の経験と結びつけられない
目次
- 転職理由と志望動機の違い
- 転職理由とは
- 志望動機とは
- 転職理由と志望動機には一貫性が必要
- 転職理由と志望動機の一貫性を持たせる方法
- 転職理由の例文と答え方のポイント
- 1. 転職の理由を掘り下げて言語化する
- 2. ポジティブな切り口で表現する
- 志望動機の例文と書き方のポイント
- 1. 転職理由とつながりを持たせる
- 2. 結論ファーストの構成にする
- 3. 具体的なエピソードを盛り込む
- 4. 面接での質問を想定して書く
- 志望動機や転職理由の作成に迷ったら、転職エージェントに相談を
- まとめ
転職理由と志望動機の違い
転職理由とは
転職理由とは、「前職を辞めて新しい仕事に就こうと決意した理由」のことを指します。具体的な例として、以下のようなものが考えられます。
【ポジティブな転職理由】
・キャリアアップしたい
・新しいスキルを身につけたい
・異なる業界で挑戦したい
【ネガティブな転職理由】
・職場環境が合わない
・給与が低い
・労働時間が長い
転職理由は、現在または過去の職場で感じている課題や不満、そして新しい職場に求める条件が中心です。企業側は、転職理由を把握することで応募者の職場における問題や期待を理解し、自社でそれを解消できるかを判断したいと考えています。
志望動機とは
志望動機とは、「なぜこの企業で働きたいのか」を示すものです。採用担当者はこの質問を通して、応募者が企業のビジョンや事業内容、企業文化に共感しているか、これまでの経験やスキルが活かせるかを見極め、企業の求める人材にマッチするか知りたいと考えています。さらに、志望動機の強さから、応募者が心からこの企業で働きたいと感じているか、その熱意を確認しています。
例えば、以下のような志望動機が考えられます。
【志望動機】
・ビジョンに共感し、自分のスキルを活かして貢献したい
・製品開発に携わり、イノベーションを推進したい
・社員教育制度に魅力を感じ、自身の成長を図りたい
転職理由と志望動機には一貫性が必要
転職理由と志望動機は一見似ているようですが、本質的には異なるものです。しかし、両者の間に矛盾が生じると、採用担当者に不信感を与えかねません。たとえば、転職理由で「前職の給与が低い」と述べておきながら、志望動機で「貴社の社会貢献活動に魅力を感じた」と記載すると、一貫性が感じられず、応募者の本音を疑われるかもしれません。
転職理由と志望動機に一貫性を持たせるためには、抽象的な理由にとどまらず、具体的かつ現実的な理由を明確に述べることが求められます。また、形式的な模範解答に頼るのではなく、自分の言葉で伝えることが非常に重要です。採用担当者は、応募者の言葉からその本音や真意を知りたいと考えているため、「自己分析に基づいた一貫した理由」をしっかりと自分の言葉で表現することを意識しましょう。
転職理由と志望動機の一貫性を持たせる方法
以下のプロセスに沿って、転職理由(転職を決意した理由)と志望動機(応募先企業で働きたい理由)を明らかにします。
【ステップ1】転職したい理由を具体的に言語化する
【ステップ2】転職によって解決したい課題に優先順位をつける
【ステップ3】応募先の企業に入社することで、それが実現可能かを検討する
これらのステップに分けて考えることで、思考が整理され、転職理由と志望動機の間に矛盾が生じにくくなります。たとえば、転職理由として「前職ではキャリアアップの機会が限られていた」と言語化した場合、志望動機として「キャリアアップの制度が充実している御社なら、自分の成長を実現できると感じました」と述べることで、転職理由と志望動機に一貫性が生まれ、説得力が増します。
転職理由の例文と答え方のポイント
転職理由を伝える際には、まず「転職によって解決したい課題や問題」を明確にすることが重要です。その上で、退職理由と応募先企業で達成したい目標や期待を組み合わせることで、転職理由に一貫性と説得力を持たせることができます。
●面接時の回答例
私は現在、経理として仕訳入力や支払処理、請求書発行などの日常的な経理業務を担当しています。これまでの業務で基本的な経理処理スキルを磨いてきましたが、主にルーチンワークが中心で、より複雑な財務分析や予算管理、キャッシュフローの最適化といった業務に挑戦する機会が限られていると感じています。経理としてのスキルをさらに発展させ、経営判断に直結するような業務に携わって行く中でキャリアアップしたいと考え、転職を決意しました。
採用担当に自身の熱意を伝えるためには、まず転職の理由を深く掘り下げることから始めるのが効果的です。転職理由の考え方を、以下の細かいステップに分けて説明します。
1. 転職の理由を掘り下げて言語化する
転職理由を明確にするためには「なぜ前職を辞めたのか」「なぜ応募先企業を選んだのか」を納得するまで掘り下げて自己分析することが重要です。履歴書を書く前に、転職の理由をしっかりと洗い出しましょう。
【紙に書き出す】
まず、頭の中の考えを整理するために、紙に書き出してみましょう。思っていることを言葉にしようとすると、意外とまとまりに欠けることがあります。紙に書き出すことで、自分の考えを明確にし、整理することができます。この段階では、言葉の表現にこだわらず、本音で自由に書き出すことがポイントです。転職理由を一通り書き出したら、それによって解決したい問題や達成したい目標を明確にし、リストアップします。最後に、リストに優先順位をつけ、重要な要素を絞り込んでいきましょう。
【壁打ちをする】
もし、一人で考えを整理するのが難しいと感じた場合は、信頼できる友人や同僚、あるいはキャリアアドバイザーに相談し、自身の転職理由を話してフィードバックをもらうのも効果的です。第三者の視点からアドバイスを受けることで、自分が考えた優先順位が適切かどうかを確認できるというメリットもあります。壁打ちで得たフィードバックを元に、転職理由と志望動機の優先順位を調整することで、自分の考えがより客観的で現実的なものとなり、一貫性のある回答が準備できるようになります。
自分に合った方法を取り入れながら、転職によって解決したい課題や達成したい目標の優先順位を明確にしていくことが重要です。
2. ポジティブな切り口で表現する
ポジティブな表現は、採用担当者に好印象を与える大切なポイントです。たとえ退職を決意した理由がネガティブなものであっても、前向きな視点で伝えることで、自身の成長意欲やポジティブな姿勢をアピールできます。
以下に退職の理由になりやすい事例ごとに、ネガティブな表現をポジティブに言い換える具体例を紹介します。
【例1:給与に対する不満】
・ネガティブな表現:「前職では給与が低く、生活が厳しかったため転職を決意しました。」
・ポジティブな表現:「前職では成果に対する正当な評価を得ることが難しい環境でした。そのため、より成果を正当に評価していただける環境を求めて転職を決意しました。」
【例2:キャリアアップの機会不足】
ネガティブな表現:「前職ではキャリアに関する制度が整備されておらず、キャリアアップの機会がないため、将来に不安を感じました。」
ポジティブな表現:「前職ではキャリアアップの機会が限られておりましたが、その経験を通じて、自分の成長意欲がさらに強まり、よりチャレンジングな環境でキャリアを築いていきたいと考えました。」
【例3:仕事内容に対する不満】
ネガティブな表現:「前職の仕事内容が合わず、やりがいを感じられませんでした。」
ポジティブな表現:「前職では自分の適性と異なる業務が多かったため、より自分のスキルを活かし、情熱を持って取り組める仕事を求めるようになりました。」
このように、ネガティブな理由をポジティブな表現に変換することで、採用担当者に前向きで成長意欲のある印象を与えることができます。
志望動機の例文と書き方のポイント
志望動機を考える際には、現在の職場で実現できないことと、応募先企業の魅力との接点を持たせるよう意識しましょう。
●履歴書・職務経歴書における志望動機の例文
「現職でもカスタマーサクセス職として、お客様からの問い合わせ対応やトラブルシューティングなどを行っていますが、業務が限定されており、お客様の成功をさらに深く支援できる機会が限られていると感じています。貴社のカスタマーサクセス部門では、顧客の利用データ分析を基に、プロアクティブに顧客満足度を高める施策を実行したり、長期的な顧客関係の構築に向けた戦略を企画・立案するなど、幅広い業務に携わることができる点に大変魅力を感じております。」
以下のステップに沿って、考え方のポイントを整理しながら実践してみましょう。
1. 転職理由とつながりを持たせる
まずは、整理した転職理由から、志望動機への自然なつながりを考えます。
例えば、前職での退職理由が「成果が給与に反映されない環境」であった場合、志望動機として応募先企業の「評価システム」を強調すると、退職に至った理由と志望動機に一貫性を持たせることが可能です。
例文「能力や成果が評価される環境を求めて転職を考えていました。貴社の評価システムは営業成績が明確に反映されると伺っており、自分の努力や成果をしっかりと評価していただけると感じました。」
2. 結論ファーストの構成にする
履歴書・職務経歴書で志望動機を記載する際には、最初に結論を書く「結論ファースト」の構成を意識しましょう。これにより、採用担当者が志望動機の要点を素早く理解でき、伝わりやすくなります。面接で志望動機を伝える際にも、同じ構成を心がけると効果的です。
例えば、メーカーで新製品開発業務を希望する場合、以下のような構成が適しています。
「貴社で新しい製品の開発に携わり、これまでの経験を活かして貢献したいと考えています。前職では、プロジェクトマネージャーとして複数の開発チームを率い、新製品のリリースを期限内に達成した経験があります。この経験で培ったプロジェクト管理のスキルや、チームメンバーを動かすリーダーシップを発揮し、貴社の製品開発に貢献できると確信しています。」
このように、まず「新しい製品開発に携わりたい」という結論を最初に述べることで、応募者の目標が明確に伝わります。続けて、具体的なスキルや経験を結びつけることで、採用担当者に志望動機の背景や、自身がどのように貢献できるかを具体的にイメージしてもらうことができます。
3. 具体的なエピソードを盛り込む
志望動機に具体的なエピソードを加えることで、自身の経験やスキルをリアルに伝え、説得力を高めることができます。例えば、前職での成功体験やチャレンジしたことを具体的に伝えるなどの方法が挙げられます。
これらのポイントを踏まえた上で、職種ごとの具体的な例文を紹介します。
【例1:営業職の場合】
前職では、営業チームのリーダーとして新規顧客の開拓を担い、特に競争が激しいエリアで成果を上げました。具体的には、大手5社との契約を成功させ、チームの年間売上を30%増加させることができました。この経験を通じて、難易度の高い目標に対しても戦略的にアプローチし、結果を出す力を培いました。貴社の営業チームでも、新規顧客の獲得に全力で貢献し、さらなる売上向上を実現したいと考えています。
【例2:ITエンジニアの場合】
前職では、システムエンジニアとして、大規模なシステム移行プロジェクトをリードし、計画から実施、運用までを一貫して担当しました。このプロジェクトでは、予期せぬトラブルにも迅速に対応し、チーム全体で協力して、スケジュール通りにシステム移行を完了させることができました。こうした経験を通じて、技術的な課題に対処する力とプロジェクトを成功に導くリーダーシップを培いました。今後は、貴社のシステム開発プロジェクトにおいて、さらなる技術革新を推進し、企業の成長に貢献したいと考えています。
【例3:マーケティング職の場合】
前職では、マーケティング担当として、新商品の市場調査からプロモーション戦略の立案までを担当し、特にデジタルマーケティングに注力しました。オンライン広告キャンペーンの展開により、新商品の認知度を50%向上させ、目標を大きく超える成果を上げることができました。この経験を基に、データに基づいた効果的な戦略を駆使し、貴社の商品プロモーションに貢献したいと考えています。ブランドの認知度向上と市場拡大を目指し、さらなる成長をサポートしていく所存です。
4. 面接での質問を想定して書く
履歴書・職務経歴書に記載した志望動機は、面接で再度尋ねられることが多いです。そのため、面接官が質問しやすいように、具体的な内容を記載することが重要です。履歴書・職務経歴書の内容を元に、面接での深掘り質問を想定し、詳しく説明できるように準備しましょう。これにより、面接時に応募書類の内容と一貫性のある回答ができ、より説得力が増します。
志望動機や転職理由の作成に迷ったら、転職エージェントに相談を
どれだけ真剣に向き合っても、自分自身で転職理由や志望動機をうまく言語化できないと感じることは少なくありません。そのような場合は、転職エージェントの転職支援サービスなど専門的なサポートを活用するのも有効な手段です。
九州・沖縄エリアの転職に強みを持つ「リクパーキャリア」では、地域の転職市場に精通したコンサルタントが転職活動をサポート致します。
職務経歴書作成サポートの一環として、転職理由や志望動機の言語化・組み立て方・伝え方のアドバイスなども実施しています。
九州・沖縄での転職をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
転職理由と志望動機はそれぞれ異なる意味を持つものの、一貫性を持たせることで、採用企業に対して納得感を与えることができます。自己分析を徹底し、具体的なエピソードや理由を織り交ぜることで、説得力のあるストーリーを構築しましょう。これにより、面接時に自信を持って自分をアピールできるようになります。
また、転職エージェントを活用し転職活動のサポートを受けることも手段の一つです。プロのアドバイスを受けることで、より効果的な転職理由や志望動機の作成が可能になり、転職成功の確率を高めることができるでしょう。
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- 監修者
- 下﨑 和志 (しもざき かずし)
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