更新日[ 2026/08/30

経理に向いている人の特徴は?適性の見極め方をプロが解説

「経理の仕事に興味はあるけれど、自分に向いているのか分からない」「今、経理として働いているものの、どうも向いていない気がする」——そんな迷いを抱えていませんか?
経理は几帳面さや数字への強さが求められる一方、実際にはそれ以外の適性も評価される仕事です。イメージだけで判断すると、適性を見誤ってしまうこともあります。
本記事では、経理に向いている人・向いていない人の特徴に加え、「向いていないかも」と感じたときの考え方をキャリアアドバイザーの視点で解説します。適性を見極める材料として、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 経理に向いている人の6つの特徴
  • 向いていないと感じるときの対処法
  • 経理として働く魅力

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目次

  • 経理が担う仕事の範囲
    • 日次・月次・年次で変わる業務サイクル
    • お金を扱う他職種(財務・会計)との役割分担
  • 経理に向いている人の6つの特徴
    • 1.数字のズレに気づく注意力
    • 2.期限から逆算する計画性
    • 3.定型業務を継続できる持続力
    • 4.他部署と関わるコミュニケーション力
    • 5.新しい知識を学び続ける向上心
    • 6.会社の数字を預かる責任感
  • 経理に向いていない人の4つの特徴
    • 1.確認作業を後回しにするタイプ
    • 2.数字を扱うことに抵抗があるタイプ
    • 3.実績が数字で残らないと物足りないタイプ
    • 4.同じ手順の繰り返しを退屈に感じるタイプ
  • 企業規模で変わる経理の適性
    • 幅広い業務を一人で担う「中小企業」
    • 分業と正確性が徹底される「上場企業」
    • 制度づくりから関わる「成長企業」
  • 【キャリアアドバイザーに聞く】求人票から働き方を読み取るポイント
  • 経理として働く魅力と負担
    • 経営の意思決定に近い立場で働ける手応え
    • 業界を問わず通用する専門性
    • 繁忙期に集中する業務量の波
    • 相談相手が身近にいない環境
  • 経理で求められるスキルと評価される資格
    • 実務の前提となる簿記の知識
    • 会計ソフト・ITツールの操作スキル
  • 未経験から経理を目指すには
    • アピールできる事務職の経験
    • 未経験者が狙いやすい企業の選び方
  • 「経理に向いていない」と感じたときの考え方
    • 原因は、仕事内容?職場環境?
    • 【未経験の方】検討したい別の選択肢
    • 【経理経験者の方】取れる進路の選択肢
  • 【FAQ】経理の転職についてよくある質問
    • Q.経理はキャリアアップにつながる職種ですか?
    • Q.経理は嫌われやすい仕事ですか?
  • 経理の適性は客観的な視点で見極めよう
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経理が担う仕事の範囲

経理の業務は、日々の入出金の記録から年に一度の決算まで、時期によって内容が大きく移り変わります。適性を測る前に、まずは経理が実際に何を担っているのか、そして混同されやすい他職種との線引きを見ていきましょう。

日次・月次・年次で変わる業務サイクル

経理の仕事は、毎日行うもの、毎月行うもの、年に一度行うものという3つのサイクルで動いています。

日次業務: 仕入や売上の記録、伝票の作成、現預金の残高確認、社員の経費精算など
月次業務: 月次決算、源泉所得税・社会保険料・消費税の計算と納付など
年次業務: 年次決算、年末調整、法人税や償却資産の申告など

注意しておきたいのは、これらが切り離された作業ではないという点です。毎日の記録が月次の数字をつくり、12か月分の月次が年次決算の土台になります。そのため、日次の段階で生じたひとつのズレが、後工程の月次や年次にまで影響を及ぼしてしまうのです。経理に細かな確認の積み重ねが求められるのは、この「連鎖の構造」があるからです。

お金を扱う他職種(財務・会計)との役割分担

経理と混同されやすい職種に、財務と会計があります。3つを整理する手がかりになるのは、扱うお金の「時間軸」です。

経理(過去〜現在): すでに動いたお金を扱います。日々の取引を記録し、支払いや入金を管理することで、会社の資金が滞りなく流れる状態を保ちます。
財務(未来): これから動かすお金を扱います。予算管理や資金調達、資産運用が中心で、将来に向けた計画を立てる役割を担っています。
会計(報告): 経理が作成した帳簿をもとに、会社の損益を経営者や取引先などへ報告する仕事です。(※経理も広い意味では会計に含まれます)

この3つの違いを曖昧にしたまま選考に進むと、志望動機の軸がぶれる原因になってしまいます。ご自身が携わりたいのは「記録」なのか、「計画」なのか、それとも「報告」なのか。応募前には、この点をしっかりと整理しておきましょう。

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経理に向いている人の6つの特徴

几帳面さや数字への強さはもちろん大切ですが、経理の適性はそれだけでは測れません。ご自身に経理の素質があるかどうか、実務で求められる6つの特徴と照らし合わせながら確認してみましょう。

経理に向いている人の6つの特徴No.98

1.数字のズレに気づく注意力

経理に求められるのは、計算の速さよりも、数字を見て「いつもと違う」と気づける感覚です。前月と比べて経費が不自然に膨らんでいる、入力された金額の桁が一つ多いなど、そうした違和感を放置せず原因を確かめに行けるかどうかで、処理の精度は大きく変わります。

実務の計算は会計ソフトなどが担うため、高度な数学の知識は不要です。日常的に数字と向き合うことが苦にならなければ、まずはこの資質を満たしていると言えるでしょう。

2.期限から逆算する計画性

月次決算の締め、税金や保険料の納付、年次決算と税務申告など、経理業務には「動かせない期限」が数多く存在します。納付が遅れれば、会社の信用問題にもつながりかねません。

そのため、期限から逆算してスケジュールを立て、繁忙期を見越して前倒しで動ける人が現場で重宝されます。予定を組み立ててタスクを管理すること自体が嫌ではない方であれば、心配はいりません。

3.定型業務を継続できる持続力

経理業務の大半は、毎月・毎年同じ手順で繰り返される定型業務です。伝票起票や仕訳入力といった処理を、月が替わってもブレない精度でこなし続けられる「持続力」が適性の分かれ目になります。

ただし、ずっと同じ作業のみを繰り返すわけではありません。知識と経験が積み上がるにつれて、任される範囲は月次から年次決算へと段階的に広がっていきます。着実な積み重ねが成果として返ってくる実感を持ちやすい職種です。

4.他部署と関わるコミュニケーション力

経理は一人で黙々と進める作業が多いものの、経費精算のルール説明や書類の修正依頼など、他部署とのやり取りも毎月のように発生します。

ここで問われるのは、「専門用語を使わずに、経理以外の社員にも分かりやすく説明できるか」という点です。選考の場でも重視される要素のひとつです。人と話すのが得意でなくても、必要な報連相がきちんとできれば十分に活躍できます。

5.新しい知識を学び続ける向上心

税法や会計基準は毎年のように改正され、新しい制度(インボイス制度や電子帳簿保存法など)も次々と加わります。経理は、一度覚えた知識だけで長く働ける仕事ではありません。

こうした変化を「知識が増える機会」と前向きに捉え、分からないことを自分で調べて解決できる人ほど、任される業務の幅は広がります。学ぶことが苦痛ではない方にとって、経理は経験がそのままキャリアの武器に変わる職種です。

6.会社の数字を預かる責任感

経理が扱うのは会社の資産そのものです。一つのミスが他部署や取引先に波及することもあるため、「自分が出した数字は最後まで自分で確かめる」という強い責任感が欠かせません。

また、役員報酬や給与、契約条件など、社外秘の機密情報に日常的に触れる立場でもあります。親しい同僚や家族にも絶対に口外しないという「情報管理の慎重さ」を当然のものとして守れるかどうかも、重要な資質として見られています。

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経理に向いていない人の4つの特徴

続いて、経理の業務でつまずきやすい「向いていない人の特徴」を見ていきましょう。ただし、これらに当てはまるからといって「絶対に経理になれない」わけではありません。入社後のギャップを減らすための事前チェックとして、記事後半の対処法とセットでご自身の仕事への向き合い方と照らし合わせてみてください。

経理に向いていない人の4つの特徴No.98

1.確認作業を後回しにするタイプ

「だいたい合っていればいい」という進め方では、経理の業務は成り立ちません。1円のズレであっても、そのままにしておけば月次決算の数字が合わなくなり、最終的には決算書の内容にまで影響が及びます。

厄介なのは、「確認を省いた分だけ後の作業量が増える」という構造です。ズレが発覚すれば、原因が見つかるまで伝票を一件ずつ遡って照合しなければならず、その場で済ませられたはずの確認に何倍もの時間を割くことになります。

細かい確認を先送りにする習慣がある場合、経理の仕事は負担が大きくなりやすいでしょう。逆に、書類やデータを整理された状態に保つことが身についている方であれば、大雑把な自覚があっても十分に対応できるはずです。

2.数字を扱うことに抵抗があるタイプ

数字を目にすること自体にストレスを感じる場合、経理の業務は負担が重くなります。帳簿への入力、請求書の突き合わせ、決算書の作成など、一日のうち数字から離れる時間はほとんどありません。苦手意識を抱えたまま毎日続けると、精神的な消耗につながってしまいます。

ただし、「計算が苦手」と「数字が苦手」は分けて考えてください。実務の計算は会計ソフトや表計算ソフトが処理するため、暗算の速さや数学の得意・不得意が問われる場面はほとんどありません。判断の目安になるのは、数字の並んだ画面や資料を前にしたときに、抵抗なく向き合えるかどうかです。

3.実績が数字で残らないと物足りないタイプ

経理は直接売上を生み出す部門ではありません。営業職のように「目標に対する達成率」といった明確な評価軸が置かれることは少なく、自分の働きがどう評価されているのか見えにくい面があります。

そのため、成果が数字となって残ることをモチベーションにしている方は、物足りなさを感じやすくなります。正確に処理を終えても大きく称えられる機会は多くありません。「何を目標に力を注げばよいのか分からなくなる」という声も聞かれます。評価の分かりやすさを重視するのであれば、表に立つ職種のほうが力を発揮できるかもしれません。

4.同じ手順の繰り返しを退屈に感じるタイプ

経理が担う業務は、あらかじめ決まっているものが大半を占めます。入金の確認から経費の精算、帳簿への記録までを毎月同じ流れで進めていくため、月が替わっても手順は大きく変わりません。

そのため、新しい企画を立ち上げたい方や、日々異なる相手・異なる課題に向き合いたい方にとっては、単調に映る可能性があります。出張の機会もほとんどなく、日々の業務はデスクワークが中心です。変化の多さそのものにやりがいを見いだしているタイプの場合、経理の働き方との間にギャップを感じやすくなるでしょう。

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企業規模で変わる経理の適性

ここまで挙げた特徴は、経理として働くうえで共通して求められる「土台」です。ただし、そのうちどの資質がより強く求められるかは、企業の規模やフェーズによって大きく変わります。ここでは、規模別に重視される適性の違いを見ていきましょう。

幅広い業務を一人で担う「中小企業」

経理担当者が1〜2名体制の企業では、一人が受け持つ業務範囲が自然と広くなります。日次の入力から月次・年次決算まで一通りを担い、企業によっては総務や労務を兼務することもあるでしょう。

ここで求められるのは、複数の業務を並行しながら、自分で優先順位を判断できる力です。指示待ちではなく「今日はどこまで進めるべきか」を自ら考えて動く必要がありますが、裏を返せば、早い段階で仕事の全体像をつかめる環境です。幅広く経験を積みたい方に向いています。

分業と正確性が徹底される「上場企業」

上場企業の経理には、株主や投資家に向けた開示資料やIR情報の作成が伴います。社外へ公表される数字を扱うため、求められる正確性の水準は一段と上がります。

業務は担当領域ごとに細かく分業され、任された範囲を深く突き詰める働き方が基本です。決められたルールの中で精度を追求することに手応えを感じる方にはぴったりですが、幅広く手がけたい方には物足りなく映るかもしれません。なお、開示に関わる業務は経験者が担う傾向が強く、未経験からの挑戦は難易度が高めです。

制度づくりから関わる「成長企業」

ベンチャー企業やIPO準備中の企業では、既存の仕組みを回すだけでなく「経理の体制そのものを整える」場面が生まれます。処理の手順やチェック方法が固まりきっていないため、前例のない状況で判断を重ねることも少なくありません。

ここで力を発揮しやすいのは、「もっと良い進め方はないか」と業務改善を考え、会社の成長自体に関心を持てる方です。ミスが起きたときも、個人の注意力に頼るのではなく、手順そのものを見直して再発を防ぐ仕組みづくりが問われます。決まった型の中で働くよりも、「型をつくる側」に回りたい方に合った環境です。

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【キャリアアドバイザーに聞く】求人票から働き方を読み取るポイント

同じ「経理」という職種名でも、企業によって業務範囲・体制・働き方は大きく異なります。しかし求人票にはそのすべてが明記されているわけではありません。ここでは、日々経理職の求人を扱うリクパーキャリアのキャリアアドバイザーに、求人票のどこを見れば実際の働き方が読み取れるかを聞きました。

経理の求人票を見るとき、私たちエージェントは主に「業務内容の範囲」「配属部署の人数」「平均残業時間」の3つから実際の働き方を推測しています。

例えば、業務内容に「仕訳入力や経費精算」といった記載が中心であればルーティンワークメイン、「月次・年次決算」まで含まれれば経理全般を任される環境だと判断できます。また、配属部署の人数が「3名」なら少人数で経理業務全般を幅広くこなす可能性が高く、「30名」いるような企業なら「固定資産担当」「売上管理担当」のように業務内容ごとに領域が分かれた細かな分業制になるケースがほとんどです。

さらに気をつけたいのが「平均残業時間」です。経理は月末月初や決算期に業務が集中するため、「平均30時間」とあれば、現場の実態としては「繁忙期には40〜50時間の残業が発生しているだろう」と想定します。平均の数字だけを鵜呑みにせず、業務量には必ず波があることを前提に読み解いていくと、入社後のギャップを防げるはずです。

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経理として働く魅力と負担

どのような職種にも、魅力と負担の両面があります。経理への適性をより深く見極めるためには、実際の現場で何が手応えとなり、何が苦労として語られているかを知るのが近道です。ここでは、代表的なものを2つずつ解説します。

経営の意思決定に近い立場で働ける手応え

経理が毎月まとめる貸借対照表や損益計算書は、経営層が次の判断を下すための重要な材料になります。経理は、会社のお金の流れを最も近い距離で見ている立場と言えるでしょう。

手応えを感じる場面としてよく挙がるのは、決算対応で財務諸表を誤差なく仕上げられたときや、自分が手がけた数字が開示資料として世に出たときです。規模の小さい会社であれば経営層との距離はさらに近く、経営判断に直結する業務を早い段階から任されることもあります。

入って間もない時期は任される範囲が限られているため、物足りなさを覚えるかもしれませんが、経験を重ねるにつれて手応えは確実に大きくなっていくはずです。

業界を問わず通用する専門性

会計や税務の知識は、業界が変わっても同じように使えます。製造業で身につけた仕訳の考え方は小売業でもサービス業でも通用しますし、決算を担当した経験は転職活動において大きなアドバンテージになります。

この「汎用性の高さ」は、キャリアを長く続けたい方にとって非常に心強い要素です。出産や育児、家族の事情でいったん現場を離れたとしても、専門性があれば復帰しやすい職種とされています。経理はどの企業にも不可欠なポジションであるため、配偶者の転勤やU・Iターンなどで住む場所が変わっても働き口を見つけやすく、職種としての転勤も少ない傾向にあります。ライフステージに合わせた働き方を選びやすい点も大きな魅力です。

繁忙期に集中する業務量の波

経理の業務量は、時期によって大きく上下します。月末・月初の締め処理に加え、年次決算と年末調整が重なるタイミングでは作業が集中し、残業が発生することもあります。個人の裁量で処理量を調整できる仕事ではないため、忙しさの波を避けるのは難しいでしょう。

一方で、「繁忙期がいつ訪れるかあらかじめ決まっている」という側面もあります。予定を立てやすく、閑散期にはゆとりを持って働けるという声も少なくありません。企業によってはフレックス制度を取り入れ、季節による負荷の偏りを調整できる仕組みを設けているところもあります。

相談相手が身近にいない環境

経理を少人数で回している企業では、判断に迷ったときに社内で聞ける相手がいないことがあります。作業自体も一人で黙々と進めることが多いため、「経理担当者同士で言葉を交わす機会が少ない」という声も聞かれます。

一人で結論を出す状況が続くことに心細さを覚える方がいる一方で、「干渉されず自分のペースで進められる環境」と前向きに受け取る方もいます。周囲と相談しながら進めたいという希望が強い場合は、自分自身の適性を疑うよりも、「複数名で分担する体制が整っている企業を選ぶ」など、環境との相性として捉えておくとよいでしょう。

<参考記事>
経理の転職はなぜ難しい?経験別・年代別の対策と成功ポイント

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経理で求められるスキルと評価される資格

経理として長く活躍するためには、性格的な適性に加えて、実務を裏付ける知識やスキルが必要です。ここでは、転職活動において企業からどのように評価されるのか、実務に必須の知識とあわせて確認していきましょう。

実務の前提となる簿記の知識

簿記は、経理業務を理解するための共通言語です。「借方・貸方」の考え方が身についていないと、日々の取引をどう仕訳すべきか判断できず、実務に入る段階でつまずいてしまう可能性があります。
また、実際の業務では、消費税の課税・非課税の区分や、源泉徴収の仕組みへの理解も欠かせません。会計ソフトへ入力する際、選ぶべき勘定科目や税区分をその都度自分で見極める必要があるからです。

未経験から経理を目指す場合は、まず「日商簿記3級」で全体像をつかむところから始めましょう。企業から「実務レベルの知識がある」と評価されやすいのは2級です。2級レベルの知識があり財務諸表を読み解けるようになれば、経営分析の資料作成といった上位業務にも関わりやすくなります。
資格だけで内定が獲得できるわけではありませんが、学ぶ意欲を伝える十分なアピール材料になります。また、簿記の勉強自体が苦痛でないかどうかは、ご自身の適性を測る良いバロメーターにもなるはずです。

<参考記事>
転職に有利な資格は?20代30代40代向け業界別おすすめを解説

会計ソフト・ITツールの操作スキル

日々の処理速度とミスの発生率を左右するのは、ITツールの扱いに慣れているかどうかです。表計算ソフトであれば、関数を使って大量のデータを集計したり、数式のエラーを自分で直したりする力が問われます。ショートカットキーやマクロを活用して作業時間を短縮できれば、繁忙期の負担軽減にも直結するでしょう。

会計ソフトについては、クラウド型から基幹システムまで幅広く、企業によって導入されているものが異なります。そのため、特定のソフトが使えること以上に、「新しいシステムの仕組みを素早く理解して使いこなせる適応力」が重視されます。
前職と違うソフトを導入している企業へ転職しても、操作の基本的な考え方が分かっていれば応用は利くものです。今後もツールの進化や入れ替えは続くため、新しい操作を覚えることに前向きでいられるかどうかが、経理として長く活躍するための分かれ目になります。

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未経験から経理を目指すには

経理に興味はあるものの、実務経験がないことに引け目を感じている方は少なくありません。未経験からの挑戦は不可能ではありませんが、経験の代わりに何が評価されるのか、どのような企業を選ぶのかで結果は変わってきます。

アピールできる事務職の経験

経理の実務経験がなくても、数字に触れる業務を経験していれば、それは立派なアピール材料になります。一般事務や営業事務での以下のような業務は、経理の日次業務と直結しているからです。
・売上の集計や入金の照合
・請求書や見積書の作成・確認
さらに、使用していた表計算ソフトの機能、扱っていた件数、ミスを防ぐための工夫などを具体的に伝えられると、実務への適応力が伝わりやすくなります。

特に20代であれば、スキルそのものよりも「確認を怠らない姿勢」「数字への抵抗のなさ」「学ぶ意欲」といったポテンシャルが評価される傾向にあります。まずはご自身の経験を棚卸しし、数字を扱った業務を書き出してみてください。自分では当たり前だと思っていた作業が、経理につながる経験として高く評価されることもあります。

未経験者が狙いやすい企業の選び方

経理の求人は、「欠員が出たタイミングで1名だけ募集する」というケースが多くを占めます。こうした採用では即戦力が優先されやすく、特に高い正確性が求められる上場企業などに未経験から入り込むのは簡単ではありません。

そのため、未経験から目指すのであれば応募先の選び方が鍵になります。教育体制を整えている中小企業や、経理業務を幅広く扱う士業事務所は、未経験者を受け入れている例が比較的多い先です。税理士法人や会計事務所で実務を積み、そこから事業会社へ移るという進み方もあるでしょう。なお、未経験での応募ハードルは年齢とともに上がっていくため、迷っている段階でも早めに情報収集を始めることが大切です。

<参考記事>
未経験での転職は何歳まで可能?35歳の壁の真相と年代別ポイント

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「経理に向いていない」と感じたときの考え方

ここまで記事を読んで、「自分には経理の適性がないかもしれない」と不安を感じた方もいらっしゃるでしょう。しかし、直感的な違和感だけで「向いていない」と決めてしまうのは、少しもったいないことです。その違和感の正体が何なのかをじっくりと紐解いていくことで、これからのキャリアの方向性がはっきりと見えてくるはずです。

原因は、仕事内容?職場環境?

「向いていない」と感じる原因には、数字を扱うこと自体が苦痛といった「仕事内容そのものが合わないケース」と、人間関係・業務量・相談相手の不在といった「職場環境に起因するケース」があります。まずはどちらに当てはまるかを見極めることが先決です。

実は、キャリアアドバイザーに寄せられる「経理を辞めたい」というご相談の多くは、職種への不満ではなく、後者の「今の環境に対する違和感」です。

例えば、「上のポストが埋まっていてキャリアアップできない」「分業されすぎていて、いつまでも仕訳入力しかさせてもらえず決算に携われない」といったお悩みです。また、経営に改善提案を行うような「攻めの経理」がしたいのに、今の会社ではそれを求められていないというギャップもよく見られます。

こうした違和感は、あなたが経理に向いていないわけではなく、「働く環境(企業の規模や方針)」を変えるだけで解消されることがほとんどです。

【未経験の方】検討したい別の選択肢

実務を経験する前の段階で「向いていない」と結論を出すのは、少し早いかもしれません。まず立ち返っていただきたいのは、経理に興味を持った理由です。数字を扱う仕事に携わりたいのか、専門性を身につけたいのか、長く続けられる職種を探しているのか。動機がはっきりすれば、その希望を満たせる仕事が経理以外にもあると気づけるはずです。会社のお金の流れに関わりたいのであれば財務や会計という道もありますし、腰を据えて専門性を積み上げたいのであれば他の管理部門にも選択肢は広がります。

適性を確かめる手立てとして分かりやすいのは、簿記の学習を試してみることです。テキストを開いて仕訳の考え方に触れたとき、面白いと感じるか、それとも気が重くなるか。この感覚は、経理の実務と向き合えるかどうかを測る目安になります。

【経理経験者の方】取れる進路の選択肢

すでに経理として働いている場合、選べる道は大きく2つに分かれます。一つは、経理を続けながら環境を変える道です。原因が業務範囲の狭さや相談相手の不在にあるのなら、規模やフェーズの異なる会社へ移ることで悩みが解消する可能性があります。会社自体に不満がないのであれば、社内での部署異動を願い出るのも有効な方法です。

もう一つは、経理で培った力を別の職種へ転用する道です。財務諸表を読み解く力や、数字から課題を見つける力は、財務や経営企画、業務改善に関わるポジションでも十分に通用します。これまでの経験を土台にして、新しい道へ進むことも可能なのです。

経理として積み上げてきたものが失われるわけではありません。どちらの道を選ぶにしても、まずは違和感の出どころを見極めることが次への出発点になります。

<参考記事>
今の仕事に向いてない?合わないサインと辞めるべきかの判断基準

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【FAQ】経理の転職についてよくある質問

ここでは、経理の転職を検討している求職者の方から寄せられるよくある質問に、キャリアアドバイザーの視点でお答えします。

Q.経理はキャリアアップにつながる職種ですか?

A.経験を積んだ先に、複数の道が開ける職種です。

社内で経理部門をまとめる管理職や、資金面から経営に関わる財務の責任者、特定業界の会計処理に精通したスペシャリストなど、さまざまなキャリアが描けます。税理士などの資格を取得して独立する道も選択肢に入るでしょう。

また、中小企業で実務全般を経験してから規模の大きな会社へ移り、扱う金額や業務の幅を広げていくケースも少なくありません。いずれの道を選ぶにしても、日次処理から決算までを一通り経験しておくことが、将来の選択肢を広げる土台になります。

Q.経理は嫌われやすい仕事ですか?

A.「嫌われる」というよりも、役割の性質上「他部署から近寄りがたい印象を持たれやすい」というのが実情です。

経理はお金を扱う「金庫番」であり、不正やミスを防ぐために厳格なルールを敷く必要があります。そのため、他部署からの経費申請に対して「この経費は落とせません」「ルール通りに再提出してください」と厳しく指摘し、書類を差し戻さなければならない場面が多々発生します。

「注意する役回り」を担う以上、時に煙たがられてしまうこともあるかもしれません。しかしそれは、会社を守るために欠かせない業務だからこそ生じるものです。日頃から他部署と丁寧なコミュニケーションを図ることで、「厳しいけれど頼りになる存在」として周囲からの信頼を獲得できるはずです。

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経理の適性は客観的な視点で見極めよう

経理の適性は、几帳面さや数字への強さといったイメージだけで測れるものではありません。日々の業務にどう向き合えるかという視点に加え、企業の規模やフェーズとの相性によっても大きく変わります。まずはご自身の経験と、これから大事にしたい働き方を照らし合わせてみてください。

とはいえ、自分自身の適性を一人で客観的に見極めるのはなかなか難しいものです。とくに「どの規模、どのフェーズの会社なら一番力を発揮できるのか」は、求人票の文面だけでは読み取りきれません。

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監修者
髙野 智愛 (たかの ちより)

キャリアアドバイザー【国家資格 キャリアコンサルタント】

海外大学卒業後、大手製造小売企業に新卒入社。同人事部において年間400名を超える国内外の採用業務に従事。 その後、結婚・第2子出産を機に転職し、誰かのターニングポイントに関わりつつ、地元九州へ恩返しをしたいという想いからキャリアアドバイザーへ転身。 若手層を中心に、いち社会人として、時には女性として、母としてなど様々な視点から転職支援を行っています。

【国家資格 キャリアコンサルタント】

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