更新日[ 2026/09/29 ]
エンジニアに向いている人とは?適性の見極め方と向かない人の特徴
ITエンジニアへの転職を考えたとき、「自分には向いていないのではないか」と足踏みしてしまう方は少なくありません。エンジニアと聞くと、パソコンに強い人や数学が得意な人の仕事という印象を持たれることが多いものの、実際の現場で評価される資質はそれだけではありません。
本記事では、エンジニアに向いている人の特徴と、向いていないといわれる人の傾向を整理したうえで、未経験の方が適性を見極める方法までを解説します。ご自身の強みと照らし合わせながら、キャリア選択のヒントを見つけてみてください。
この記事でわかること
- エンジニアに向いている人の特徴
- 当てはまらないときの考え方
- キャリアアドバイザーから見た「向き不向き」
目次
- エンジニアの仕事と代表的な職種
- 要件定義から運用保守までを担う
- 開発系・インフラ系・マネジメント系に分かれる
- エンジニアの適性は知識量では測れない
- エンジニアに向いている人の8つの特徴
- 論理的に考えるのが得意な人
- 原因がわかるまで粘れる人
- 新しい技術に興味を持てる人
- わからないことを自分で調べられる人
- 相手の意図をくみ取れる人
- 小さなミスを見逃さない人
- 計画の変更に落ち着いて対応できる人
- 仕組みを作って改善するのが好きな人
- エンジニアに向いていない人の6つの特徴
- 教えてもらうまで待ってしまう人
- 確認や見直しを面倒に感じる人
- 完璧を求めて手が止まる人
- 決まった作業だけを続けたい人
- 継続的な学習を負担に感じる人
- 人に相談せず突き進んでしまう人
- 「向いていない人の特徴」に当てはまっても諦めなくてよい理由
- 苦手は仕組みでカバーできる
- 職種や工程によって「向き不向き」は変わる
- 未経験や文系からエンジニアを目指せるか
- 未経験からでも転職できる
- 文系出身でも活躍できる
- 前職の経験を強みにできる
- エンジニアの適性を確かめる4つの方法
- チェックリストで当てはまる項目を数える
- 診断サービスで客観的に確かめる
- 小さなものを作って感触を確かめる
- 転職のプロに相談する
- キャリアアドバイザーから見た向き不向き
- 面談でよく伺う「エンジニアのイメージ」と実際のギャップ
- 転職先で「高く評価される人」の特徴
- エンジニアを目指すために今からできること
- 目指す分野を決めて基礎を学ぶ
- 研修体制が整った企業を探す
- 今の業界知識が活きる会社を狙う
- 【FAQ】エンジニアへの転職でよくある質問
- Q.エンジニアの仕事はきついですか?
- Q.AIが発達してもエンジニアの仕事は残りますか?
- Q.エンジニアの年収は他の職種と比べて高いですか?
- 「自分に向いているか」迷ったらプロに相談を
エンジニアの仕事と代表的な職種
ひと口にエンジニアといっても、開発から運用までその業務の幅は広く、選ぶ職種によって求められるスキルも日々の働き方も変わります。ご自身の適性を考える前に、まずはエンジニアがどのような役割を担っているのか、仕事の全体像を押さえておきましょう。
要件定義から運用保守までを担う
エンジニアは、ITの技術を使ってアプリケーションやシステムを設計し、開発から運用保守までを担う専門職です。プログラムを書く時間が仕事のすべてだと受け取られることもあります。しかし実際の業務は、お客さまの「困っていること」を聞き出すところから始まります。
一般的な流れとしては、まずお客さまの課題や実現したいことを聞き取る「ヒアリング」から入り、必要な機能や予算、納期を整理して合意する「要件定義」へと進みます。次に、そこで固まった内容をもとに画面の構成やデータの扱い方を設計書へ落とし込みます。開発が始まったあとは、プログラマーと連携しながら進行を管理するのもエンジニアの役割です。完成したものが設計どおりに動くかをテストで検証し、稼働後は障害対応や改善を担う運用・保守へと移ります。
プログラマーとの違いは、どの工程を担当するかという点です。システムエンジニアが「何をどう作るか」を決めて設計書に起こすのに対し、プログラマーはその設計書をもとにコードを書いて機能を形にします。ただし実際の現場では、設計を担当する人がコードを書くこともあれば、逆に実装を担当する人が仕様の検討に加わる場面も見られます。
開発系・インフラ系・マネジメント系に分かれる
エンジニアの職種は、担当する分野によって大きく3つに分けられます。
アプリケーションやWebサイト、システムそのものを作るのが「開発系」です。システムエンジニアやプログラマー、Webエンジニアなどが含まれ、利用者や企業が抱える課題をIT技術で解決する役割を担います。
「インフラ系」が扱うのは、そうしたシステムを動かすための土台です。サーバーやネットワーク、データベースといった基盤を設計・構築し、安定して稼働し続けるよう運用します。ネットワークエンジニアやサーバーエンジニア、システムを攻撃から守るセキュリティエンジニアなどがここに含まれます。
「マネジメント系」は、プロジェクト全体の進行を預かる立場です。品質やスケジュール、コストを管理しながらチームをまとめ、完成まで導きます。ITコンサルタントやプロジェクトマネージャーが代表的な職種で、技術力に加えて調整力が問われます。
未経験からエンジニアを目指す場合、まずは開発系の業務からキャリアを始めるのが一般的です。実務を通じてスキルを積み重ね、そのうえでインフラやマネジメントへと活躍の場を広げていく道筋があります。同じ「エンジニア」という呼び名でも、担当する分野が変われば求められる力も変わります。
エンジニアの適性は知識量では測れない
エンジニアと聞くと、パソコンに詳しい人や機械に強い人の仕事という印象を持たれることが少なくありません。しかし実際の現場で問われているのは、知識をどれだけ持っているかよりも、仕事にどう向き合うかという部分です。
システム開発に必要な知識や技術は、入社後に身につけていくものです。最初から高度なスキルを求められる求人は多くありません。企業が見ているのは「これから自分で学んでいけるか」という点です。新しい仕組みに触れたときに面白いと感じられるか、目の前の作業を「もっと効率よくできないか」と考えられるか。そうした姿勢のほうが、現時点の知識量よりも重視されます。
一方で、エンジニアが一日の多くをパソコンに向かって過ごす職種であることは押さえておきたいところです。画面と向き合う時間そのものが苦痛に感じられる場合は、働き続けるうえで無理が生じやすくなります。ここで言う「得意・不得意」は、操作スキルの高さを指すものではありません。パソコンに触れること自体が苦にならないかどうか、という意味合いです。
つまり、エンジニアに「向いている」かどうかは、生まれつき備わった資質で決まるものではありません。知識や技術は後から積み上げられますし、苦手な部分は働き方の工夫で補える場合もあります。これからご紹介する「エンジニアに向いている人の特徴」についても、すべてに当てはまる必要はありません。
エンジニアに向いている人の8つの特徴
実際に現場で力を発揮しているエンジニアには、共通してみられる資質があります。8つすべてに当てはまる方はほとんどいないため、ご自身に思い当たるものがいくつあるかという視点で読み進めてみてください。

論理的に考えるのが得意な人
プログラムは、書かれたコードのとおりにしか動きません。そのため、なんとなくの勘で判断するのではなく、「なぜその動きになるのか」を根拠から説明できる力が求められます。
たとえば不具合が起きたとき、手当たり次第に直そうとするのではなく、正常に動いている部分とそうでない部分を切り分け、原因のありかを絞り込んでいきます。この「切り分け」の進め方が身についている方は、経験を重ねるほど伸びていきます。
お客さまから「今より使い勝手をよくしたい」と相談を受けたときも同じです。どの操作に手間がかかっているのか、どこを自動化すれば負担が減るのかというところまで分解しなければ、設計に落とし込むことはできません。必要なのは数学の知識ではなく、「筋道を立てて考える」習慣そのものです。
原因がわかるまで粘れる人
開発の現場では、エラーや不具合が日常的に起こります。原因がすぐには見当たらないまま、何時間も画面と向き合う場面は避けて通れません。
こうしたとき、可能性を一つずつ消しながら前に進められる粘り強さが力になります。原因究明を「厄介な作業」と受け取るか、解き明かす対象として向き合えるかで、仕事の続けやすさは変わってくるはずです。
また、システム障害が起きれば、復旧まで長時間の対応が必要になる場合もあります。生活のリズムを整えて体調を保つ力も、長く働くうえでは無視できません。
新しい技術に興味を持てる人
IT業界は技術の移り変わりが速く、数年前まで主流だった手法やツールが別のものに置き換わることも珍しくありません。そのため、新しいものに触れること自体を楽しめるかどうかが、この仕事との相性に関わってきます。
知らない技術を前にしたときに「面白そうだ」と感じられる方にとって、変化の速さはむしろ刺激になります。反対に、変化そのものを負担に感じるようであれば、この速さはストレスになります。ITやWebに対する純粋な興味があれば、継続的なインプットも苦にはならないはずです。
わからないことを自分で調べられる人
現場に入ると、わからないことを誰かがそのつど教えてくれる状況ばかりではありません。公式のドキュメントや技術情報にあたり、自分で解決の糸口を見つけていく場面が日常的に出てきます。
行き詰まったとき、そこで手が止まってしまう方もいれば、調べる手段を探しにいく方もいます。現場に入ってからの伸び方に差がつくのは、この部分です。必要な情報にたどり着く力があれば、経験のない言語を扱う仕事にも対応できるようになります。
上司の指示を待つのではなく、自分から情報を集めて動ける姿勢は、選考でも「入社後に伸びるかどうか」を測る材料として見られています。
相手の意図をくみ取れる人
お客さまの多くはITの専門家ではありません。そのため、言葉にされた要望をそのまま受け取るのではなく、対話を重ねて具体的な仕様へ置き換えていく必要があります。
社内でも、プログラマーやデザイナー、営業担当といった立場の違うメンバーと足並みをそろえながら進めます。ここで問われるのは、流暢に話す力ではありません。相手の話を最後まで聞き、わからない点をその場で確認できることのほうが、実務でははるかに役に立ちます。
専門用語を使わずに説明する力も、技術的にできることとできないことを相手に納得してもらう場面で必要になります。
小さなミスを見逃さない人
プログラムは一文字の入力ミスがあるだけで正しく動きません。設計書の書き方があいまいだったために、完成間際になって大きな修正が必要になることもあります。
ここでいう「注意深さ」は、集中して作業することとは少し違います。細かな変化や違和感に気づき、問題になる前に手を打てる感覚のことです。書類を提出する前にもう一度読み返す習慣がある方は、この資質をすでに備えています。
加えて、長い時間画面に向かって緻密な作業を続けられる集中力も土台になります。
計画の変更に落ち着いて対応できる人
開発が進んでいる途中で仕様が変わることや、予定になかったトラブルが起きることは日常的にあります。
こうした場面で力を発揮しやすいのは、計画どおりに進まない状況を受け入れられる人です。「決めたとおりでないと落ち着かない」という方より、状況が変わった時点で次の手を考えられる方のほうが、この仕事には合っているといえます。
優先順位をつけ直し、現実的な着地点を探る判断力は、経験を重ねるほど価値が高まります。
仕組みを作って改善するのが好きな人
システム開発も、ものづくりの一種です。自分が関わったものが実際に誰かの仕事や生活を便利にしていると実感できることは、この職種ならではの手応えにつながります。
日ごろから、手間のかかる作業を前にして「この手順は減らせないだろうか」と考える方は、すでにエンジニアに近い見方をしています。紙でやり取りしていた書類をデータに置き換えた、繰り返しの入力作業を減らす仕組みを作ったといった経験は、未経験からの転職においても評価されるアピール材料になります。
エンジニアに向いていない人の6つの特徴
向いていない人の特徴を前にすると、つい身構えてしまうものです。ここからは、エンジニアとして働き始めたときに苦労しやすい傾向を6つ見ていきます。当てはまるものがあったとしても、それだけでエンジニアへの道が閉ざされるわけではありませんので、ご自身の現在地を知るためのヒントとしてご覧ください。

教えてもらうまで待ってしまう人
業務でわからないことが出てきたときに、誰かが教えてくれるのを待つ「指示待ち」の姿勢でいると、技術の習得もキャリアの成長もどうしても遅れてしまいます。
たとえば予期せぬトラブルが起きたとき、指示が下りてくるのを待っていては対応が後手に回るため、自分で原因を調べ、仮説を立てて動く必要があります。また、仕様の不備に気づいたときや、もっとよい作り方を思いついたときに「声を上げられるか」どうかも、現場では見られている部分です。
選考の段階でも、「自分から新しい知識を取りにいける人かどうか」は確認されることの多いポイントです。
確認や見直しを面倒に感じる人
コードのわずかな書き間違いが、システム全体を止めるほどのエラーにつながることがあります。そのため、細部まで正確に進める力が欠かせません。
作ったものを見直す習慣がないまま作業を重ねると、不具合が後の工程で見つかり、「手戻り」が大きくなります。小さなミスが全体の不具合に直結するため、「確認の手間」を省いた分だけ負担が後ろにずれていくと考えたほうが実態に近いでしょう。
慎重に物事を進めること自体にストレスを感じる方にとっては、負担の大きい場面が出てくるかもしれません。
完璧を求めて手が止まる人
丁寧に確認する姿勢そのものは強みです。ただし、確認が終わるまで動けない状態となると話は変わります。ここは程度の問題として切り分けておきたいところです。
エンジニアの仕事は、すべてを理解してから着手できるものばかりではありません。調べながら進め、解決の難しい問題はいったん課題として抱えたまま次へ移る判断も求められます。「ここが解決しないと先に進めない」と止まってしまうと、全体の進行が滞ってしまいます。
複数のタスクを同時並行で進める場面も多いため、ひとつの課題にこだわりすぎると業務が回らなくなってしまうのです。
決まった作業だけを続けたい人
エンジニアの仕事は、開発案件ごとに扱う技術も直面するトラブルの種類も異なります。一度覚えた手順を繰り返すだけで進められる仕事ではないため、決まった型のなかで安定して働きたいと考える方には、落ち着かない環境に感じられるかもしれません。
「決められた手順どおりに進めたい」という希望が強い場合、学び直しが繰り返し発生する環境は負担になります。同じ作業を積み重ねていくことに安心感を覚えるタイプであれば、別の職種のほうが力を発揮できる可能性もあります。
継続的な学習を負担に感じる人
技術の移り変わりが速いため、勉強を「一度きり」のものと考えていると、どこかで行き詰まります。
今持っているスキルを伸ばすだけでなく、まったく知らない分野を一から学び直す場面も少なくありません。学校や独学で身につけた知識だけで長く働き続けられる職種ではなく、「学び終える」というゴールのない仕事だといえます。
そもそもIT技術自体に関心を持てない場合、自発的に学習を続けるのは苦痛になりやすいため、長続きしにくいのが現実です。
人に相談せず突き進んでしまう人
トラブルの原因を突き止める作業では、考えられる可能性を幅広く調べていく必要があります。「原因はこれに違いない」と早い段階で決めつけてしまうと、かえって解明までの時間が長引いてしまいます。
また、開発チーム内で「方向性の認識」をすり合わせないまま作業を進めた場合、その作業そのものが無駄になることもあります。検証を重ねたり、ほかのエンジニアと意見を交わしたりしながら進める場面が多い仕事です。自分の判断だけで押し切ろうとすると、お客さまが求めているものからも、チームの方針からも離れていきます。
「向いていない人の特徴」に当てはまっても諦めなくてよい理由
ここまで挙げた特徴に思い当たる節があったとしても、それだけでエンジニアへの道を諦める必要はありません。なぜなら、「自分には向いていないかもしれない」と感じる要素の多くは、見方を変えることで十分に乗り越えていけるからです。ご自身の適性に迷ったときに知っておきたい、2つのアプローチをお伝えします。
苦手は仕組みでカバーできる
向いていないと感じる部分を、性格そのものから変えようとする必要はありません。それよりも、「行動のルール」を先に決めてしまうほうが現実的です。
たとえば、確認を忘れやすいのであれば、作業を終えた時点で必ず一度読み返す、確かめる項目を書き出しておくといった手順を決めておくだけで、ミスは目に見えて減ります。注意力や正確さは、練習と経験を重ねるなかで鍛えられていく部分でもあります。
また、人と話すことに苦手意識があっても、無理に「話し上手」になる必要はありません。相手の話をさえぎらずに聞くこと、わからない言葉が出てきたらその場で尋ねること。この2つを守るだけで、仕事のやり取りは問題なく進みます。
受け身になりやすい方の場合は、一人で悩む時間に区切りを設けてみるのがおすすめです。「30分考えて答えが出なければ先輩に聞く」とあらかじめ決めておけば、抱え込んで業務がストップしてしまう事態を防げます。「1日にひとつは自分から質問する」といった小さな習慣をつけることも、着実な成長につながる有効なアプローチです。
職種や工程によって「向き不向き」は変わる
ひと口にエンジニアといっても、職種によって求められる力は変わります。ある分野で「苦手」とされることが、別の分野ではそれほど問題にならない場合もあります。
「開発系」で求められるのは、長時間の集中力と筋道を立てて考える力、そして試行錯誤を続ける粘り強さです。「インフラ系」では、反復のある作業にも根気よく取り組めること、細部まで正確に扱えること、障害が起きたときに落ち着いて対応できることが重視されます。「マネジメント系」では、メンバーや顧客とのやり取り、そしてスケジュールや人員を管理する調整力が問われます。
また、ご自身の「興味が向く方向」からキャリアを選び分けることも可能です。人と話しながら全体を組み立てることに手応えを感じるなら「上流工程」を担うシステムエンジニア、自分の手で動くものを作りたいという気持ちが強いなら実装を担うプログラマーというように、適性に応じた道があります。
開発の現場では、要件定義や設計、製造やコーディング、運用や保守といった工程ごとにチームが分かれているケースも多くあります。ご自身の得意な工程や職種を選んで力を発揮できる余地は、想像以上に広く用意されているのです。
未経験や文系からエンジニアを目指せるか
エンジニアへの転職では、資質とは別に経歴の面で不安を感じる方が少なくありません。ここでは、「未経験であること」「文系出身であること」「これまでの職種が異なること」という3つの代表的な不安について、転職市場の現状をお伝えします。
未経験からでも転職できる
IT分野では慢性的な人材不足が続いているため、未経験者を受け入れて一から育成する求人も一定数存在します。企業が未経験者の採用・育成に力を入れている背景には、DXやAIの広がりによって、これまでIT分野との関わりが薄かった企業までIT人材を求めるようになったという事情があります。
ただし、どの企業にも「未経験歓迎」の求人が用意されているわけではありません。中途採用では「実務に直結するスキルや経験」が重視される傾向にあるため、その点はしっかりと押さえておく必要があります。
<参考記事>
転職したいけどスキルがない?20代・未経験からの転職ガイド
文系出身でも活躍できる
文系出身でエンジニアとして活躍している方は多く、教育体制を整えたうえで文系人材を採用している企業もあります。「文系だから」という理由だけで、自分には無理だと決めつける必要はありません。
エンジニアの中核となる業務には、お客さまの要望を言葉として整理する作業や、第三者が読んで理解できる設計書を書く作業が含まれます。こうした場面では、文章を読み書きする力がそのまま武器になります。文章で物事を正確に伝えてきた経験は、遠回りにはなりません。
数学の知識についても、高度な理論が問われるのはAIやデータ分析など限られた分野です。開発の現場で実際に使うのは、四則演算と、条件を整理して考える力がほとんどです。
ただし、誰でも簡単にできる仕事ではないということも正直にお伝えしておきます。配属や企業によっては、入社してすぐに専門的な知識を求められることもあり、学び続ける姿勢は欠かせません。知らないことを学び取ろうとする意欲があり、変化に合わせて動ける方であれば、文系出身であっても十分に成長できます。
前職の経験を強みにできる
IT以外の職種で培ったスキルが、エンジニアの仕事で活きる場面は数多くあります。
たとえば、営業や接客で積み重ねたコミュニケーション経験は、お客さまの要望をすり合わせる場面でそのまま役立ちます。文章を書いたり資料を整えたりしてきた経験は、仕様書や報告書をまとめる場面で活きるでしょう。また、チームをまとめたマネジメント経験があれば、将来リーダーやプロジェクトマネージャーを目指すうえで有利に働きます。
「未経験からエンジニアを目指せるのは20代まで」という一般的なイメージも、現在の転職市場の実態とは少し異なります。これまでの仕事で身につけた顧客への理解、進行の管理、その業界ならではの知識に、ITのスキルを重ねることで評価されるケースがあります。業務を効率化するためのシステムを作る場面では、現場の流れを知っている人の知見が強みになります。
<参考記事>
未経験での転職は何歳まで可能?35歳の壁の真相と年代別ポイント
エンジニアの適性を確かめる4つの方法
向いている人・向いていない人の特徴を読んでも、自分がどちらに当てはまるのか判断がつかないという方は少なくありません。ここからは、自己評価だけに頼らずに適性を確かめるための方法を4つ紹介します。
チェックリストで当てはまる項目を数える
最初に試せるのは、ここまで挙げてきた特徴を一覧にして、自分に当てはまるものを数えてみることです。
ただし、数え上げた結果を点数として受け取る必要はありません。「当てはまる数が多いほど適性が高い」という見方はしないほうがよいでしょう。当てはまらなかった項目も、配属される部署や働き方、ちょっとした意識の置き方で強みに変わることがあります。
目安としては、2つか3つ思い当たるものがあれば、適性という面では十分だと考えて差し支えありません。
診断サービスで客観的に確かめる
自分では気づきにくい資質を知る手段として、職業適性テストを受けてみる方法もあります。筋道を立てて考える力や、人と足並みをそろえて進める力といった部分は、自己申告では正確につかみにくいためです。
こうしたテストは、インターネット上で無料で受けられるものがあるほか、ハローワークや転職サイトでも実施されています。自分の見立てと結果に「ずれ」があった場合は、その差そのものが判断の材料になります。
小さなものを作って感触を確かめる
参考書を読んだり資格の勉強をしたりするだけでは、開発の面白さも難しさも実感としてつかめません。実際に手を動かしてみることが、もっとも確かな確認方法です。
内容は簡単なもので構いません。計算をするだけのツールでも、自分用の記録アプリでもよいので、「作るものを決めて完成まで持っていく」経験を一度しておくと、その後の理解度が変わります。働きながら見極めたい方であれば、日々の業務で手作業になっている部分を自動化してみるところから始める方法もあります。
確かめたいのは、完成までの過程を「面白い」と感じられたかどうかです。うまくいかない場面を何度も越えて形にできたのであれば、それ自体が適性の裏づけになります。
転職のプロに相談する
IT業界の最新動向や企業が求めるリアルな人物像を踏まえて、「エンジニアに向いているかどうか」を客観的に判断してくれる相手がいると、適性の見極めはスムーズになります。転職エージェントはその一つで、求人票には載っていない現場の実情も踏まえて、具体的なアドバイスを受けることができます。
また、現役で働いているエンジニアの生の声を聞く機会をつくるのも有効です。勉強会やオンラインセミナー、SNSなどを通じて実際の業務内容や求められるものを知ると、目指すべき方向がはっきりしてきます。
これら4つの方法は、どれか一つだけで結論を出すためのものではありません。複数のアプローチを組み合わせることで、「自分には向いていない」という思い込みから抜け出し、ご自身にとって納得のいくキャリア選択ができるでしょう。
<参考記事>
仕事で何がしたいかわからない?プロが教える後悔しない適職選び
キャリアアドバイザーから見た向き不向き
ここまでお伝えしてきたのは、エンジニアという仕事に対する一般的な見方です。転職の相談を受けている現場からは、また違ったものが見えています。リクパーキャリアのキャリアアドバイザーに聞いた話をお伝えします。
面談でよく伺う「エンジニアのイメージ」と実際のギャップ
転職のご相談の中で、「ITエンジニアという道も考えています」とお話しされる方は一定数いらっしゃいます。ただ、その理由をうかがうと、ほとんどの方が「フルリモートで働きたいから」とおっしゃいます。あわせて、年収も高いというイメージを持たれていることが多いです。
もうひとつよくあるのが、「エンジニアは一人で黙々とできる仕事だから、人との関係性がそれほど必要ない」という受け止め方です。今の仕事は人と関わる場面が多くて向いていない、その点エンジニアなら自分だけで頑張れるのではないか、とお考えになる方がいらっしゃいます。けれど実際は、まったくそのようなことはありません。上のポジションに上がっていくにつれて、人との折衝は必ず必要になります。そこが業務のイメージとして持たれていないことが多いように感じます。
また、ある程度の年収を目指すのであれば、それに見合う技術が必要になります。年収を下げずに、業界と職種の両方を変えるのは難しいのが実情です。そのようにお伝えすると、ほとんどの方が「そういうものですよね」と受け止められます。
中には「スクールに通えばすぐに転職できるのでは」とお考えの方もいらっしゃいますが、実務未経験者を受け入れる求人は決して多くないのが実情です。そうした厳しい現実をお伝えしたうえで、それでもチャレンジしたいという情熱をお持ちであれば、可能性があるのではないかとお伝えしています。
転職先で「高く評価される人」の特徴
私がエンジニアに向いているなと思うのは、こだわりを持ちすぎない方です。ものすごく特殊で複雑なコードを書かれても、次に引き継ぐ方が何もできなくなってしまいます。「自分さえ良ければいい」という感覚が出すぎてしまうと、実はあまり評価されません。お手本になるものを書かなければいけない仕事だからです。
企業が求めているのは、属人的な「秘伝のレシピ」ではありません。「もっとシンプルな作り方にできないか」「こんなところに仕様の抜け漏れがある」と客観的な視点で改善策を見つけ出せる方のほうが、評価されやすいように思います。
エンジニアを目指すために今からできること
エンジニアの適性がありそうだと感じたら、次は転職に向けた具体的な準備に移りましょう。技術は後から身につけられるものだからこそ、今日から始められることに着手しておくと、選考の場でも意欲が伝わりやすくなります。
目指す分野を決めて基礎を学ぶ
学習を始める前に、どの分野を目指すのかを決めておくと回り道を減らせます。求められるスキルは分野ごとに違うためです。
「開発系」であればソフトウェア開発の知識やプログラミング言語が、「インフラ系」であればサーバーやネットワークの仕組みが土台になります。「どのようなシステムを作りたいのか」「どんな領域に関わりたいのか」が定まっていれば、最初に学ぶべき言語や技術も選びやすくなるはずです。
学び方には、学習サイトや書籍、スクールなど複数の選択肢があります。どれを選ぶにしても、ただテキストを読むだけで終わらせず、実際にコードを書いてみることをおすすめします。自ら「手を動かした」分だけ知識は定着しやすくなり、選考時に「現在こんなものを自作しています」とアピールできる材料にもなります。
研修体制が整った企業を探す
基礎的な学習と並行して、「未経験者歓迎」を掲げている求人にも目を向けてみましょう。こうした募集を出している企業は、入社後の研修や教育のしくみを用意していることが多いためです。
実務経験がない段階では、入社後にどこまで教えてもらえるかが働きやすさやその後の成長スピードを左右します。給与や知名度だけで判断せず、「サポート体制」がどの程度整っているかを確かめておくと安心です。
あわせて、ご自身が学んできたスキルを活かせる環境か、関心のある分野の案件に関われるかといった点もチェックし、入社後にしっかりと伸びていける職場を見極めましょう。
今の業界知識が活きる会社を狙う
未経験からの有効なキャリア戦略として、「今いる業界のなかでITエンジニアを目指す」という進み方もあります。運輸や製造、医療など、現在はあらゆる分野でDXが進んでおり、その業界の実務を知っている人材が求められているためです。
業界が同じであれば、これまでの経験や「業界知識」を土台にしながら新しいスキルを身につけられます。たとえば製造の現場で工程管理に携わってきた方であれば、システム開発や業務を効率化するツールの導入で力を発揮できる可能性があります。
年収を維持したまま業界と職種をどちらも変えるのは、現実には難しいところがあります。裏を返せば、これまでいた業界を変えずにエンジニアを目指す進み方であれば、蓄積してきた業務知識をそのまま強みにできます。
求人サイトや転職エージェントを活用し、これまで経験のある業界や近い業界でエンジニアの募集がないかを確認してみるとよいでしょう。
<参考記事>
ITエンジニアの自己PR例文20選と書類通過する書き方のコツ
【FAQ】エンジニアへの転職でよくある質問
ここでは、エンジニアへの転職を検討している方から寄せられるよくある質問に、キャリアアドバイザーの視点でお答えします。
Q.エンジニアの仕事はきついですか?
A.納期前やシステム障害時の対応など、どうしても負荷がかかる場面があるのは事実です。しかし近年では、働き方の見直しやリモートワークの普及によって、以前より和らいできている面もあります。
未経験の方に向けて厳しい意見が寄せられる背景には、独学で学んだ内容と実務とのギャップがあります。現場ではコードを書くこと自体よりも、チームで開発を進めるためのルールを守ること、納期に間に合わせること、品質を保つことが求められます。こうした実態を知らないまま「自由な働き方ができそう」というイメージだけで入社すると、思い描いていたものとの差に戸惑うことになります。裏を返せば、準備を整えたうえで臨む方にとっては、得られるものの大きい職種だといえます。
Q.AIが発達してもエンジニアの仕事は残りますか?
A.コードを書くような定型的な作業は、今後AIに任せられる部分が増えていくと考えられています。一方で、何が課題なのかを見極めることや、システム全体をどう組み立てるかを決めること、品質に問題がないことを保証することといった判断については、引き続き人が担うという見方が一般的です。
AIが出した内容をそのまま使えばよいわけでもありません。そこに不具合やセキュリティ上の問題が含まれていないかを見抜くには、専門的な知識にもとづいた検証が必要になります。これからのエンジニアに求められるのは、AIに取って代わられる立場ではなく「AIを使いこなす側」に立つことだと考えられます。
Q.エンジニアの年収は他の職種と比べて高いですか?
A.担当する領域や経験によって幅がありますが、全体としては比較的高い水準にあるといわれています。
なかでも、要件定義や設計といった「上流の工程」を任される職種は、水準が高くなる傾向があります。同じエンジニアという呼び方でも、担当する分野や経験によって差が出ると考えておくとよいでしょう。金額だけを基準に判断せず、どの分野でどこまで任されるようになりたいのかをあわせて考えておくと、転職後の納得感につながります。
「自分に向いているか」迷ったらプロに相談を
エンジニアに向いているかどうかは、生まれ持った資質で決まるものではありません。知識や技術は後から身につけられますし、苦手な部分は進め方や職種の選び方で補えるものです。頭のなかで考え続けるよりも、まずは簡単なプログラミングに触れてみるなど、実際に手を動かしながら適性を確かめていくほうが確実といえるでしょう。
とはいえ、実際の転職市場においては、求人ごとに求められる適性は異なります。同じ「システムエンジニア」という募集でも任される工程や必要なスキルは企業によって変わるため、求人票だけで見極めるのは簡単ではありません。判断に迷ったら、転職エージェントを頼ってみるのも一つの方法です。
リクパーキャリアは、九州・沖縄エリアの転職支援に特化しています。地元企業と長く向き合ってきたからこそ、求人票には書かれていない社風や教育体制までお伝えできます。転職を決めていない段階でも構いません。ご自身の経験がどう活きるのかを考えるところから、お手伝いさせてください。
▼【未経験・異業種からのキャリアチェンジ】についてはこちらの記事もご参照ください▼
異業種転職を成功させる方法は?年代別のコツと志望動機の伝え方
キャリアチェンジとは?何歳まで可能?30代の戦略も解説
スキル不足が気になる30代の転職は可能?成功のポイントを解説
▼九州エリアの求人はこちらから検索できます▼
九州の求人一覧
- 監修者
- 下﨑 和志 (しもざき かずし)
人材エージェント事業部 マネジャー【国家資格 キャリアコンサルタント】
リクルーティング・パートナーズ株式会社 人材エージェント事業部 マネジャー。事業会社人事を経て、結婚・第一子誕生を機に地元福岡へUターン転職。ハイキャリアから次世代リーダーまで幅広い層の転職を支援。【国家資格 キャリアコンサルタント】