更新日[ 2025/10/27

転職するならどの業界がいい?後悔しない選び方をプロが解説

「転職を考えているけれど、どの業界を選べばいいのかわからない」「今の業界に不満はないが、将来性を考えるとこのままで良いのだろうか」
転職活動を始めようとするとき、こうした「業界選び」に関する悩みを持つ人は多いのではないでしょうか。
業界選びは、キャリアの方向性を決める最も重要な分岐点の一つです。「どのような環境で働くか」「どんなスキルが身につくか」といった、仕事に対する満足度や将来のキャリアパスは、選ぶ業界によって大きく左右されます。
本記事では、転職市場のデータや実際の求職者の事例をもとに、後悔しないための業界の選び方や各業界の特徴を、プロの視点で詳しく解説します。

いまと違う業界への転職を検討中ですか?

  • 人気の業界は、実際どんな理由で希望する人が多いの?
  • そもそも異業界への転職は可能?
  • 未経験業界の面接では何をアピールすればいい?

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目次

  • 転職市場の現状と業界別の動向
    • 有効求人倍率と転職者数の推移
    • 業界ごとの人手不足感と採用意欲
  • 転職希望者の声から見る【人気・満足度の高い業界】
    • メーカー・モノづくり業界
      • 人気の理由:安定性・成長性・多様なキャリア機会に恵まれている
      • 実際の志望動機(リクパーキャリアご登録者の声より)
    • IT・Web業界
      • 人気の理由:未経験でも挑戦しやすく、柔軟な働き方もできる
      • 実際の志望動機(リクパーキャリアご登録者の声より)
    • インフラ業界
      • 人気の理由:景気に影響されにくく安定している
      • 実際の志望動機(リクパーキャリアご登録者の声より)
  • 業界別の特徴と将来性
    • IT・通信業界
    • 製造業・モノづくり業界
    • 医療・介護・ヘルスケア業界
    • 不動産業界
  • 未経験から転職しやすい業界とは?
  • 異業種転職に成功した方の事例
    • IT業界から自動車メーカーに転職したAさん(30代・男性)
    • 金融業界からIT業界に転職したBさん(20代・女性)
    • 流通業界からインフラ業界に転職したCさん(30代・男性)
  • 業界選びは「人気」よりも「適性」と「成長性」で考えよう
  • もし業界選びに迷ったら…プロに相談するメリットとは?

転職市場の現状と業界別の動向

転職を考えるうえで、まずはマクロな視点で、現在の転職市場がどのような状況にあるのかを知ることが大切です。世の中全体で「求職者」と「求人数」のどちらが多いのか、どの分野で人手が必要とされているのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
ここでは、最新のデータを交えながら、市場の全体像を詳しく見ていきましょう。

有効求人倍率と転職者数の推移

厚生労働省は、公共職業安定所(ハローワーク)における求人、求職、就職の状況をとりまとめ、「一般職業紹介状況」として毎月公表しています。

求人倍率の推移グラフ_厚生労働省データNo.53

このデータ(※)によれば、令和7年8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.20倍となりました。これは、求職者1人に対して1.20件の求人があることを示しており、企業側の採用意欲は引き続き高い水準にあるとわかります。一方で、有効求職者(職を探している人)の数は前月比で0.7%増加しており、転職活動を始める人が増えている傾向も見られます。

※出典:「一般職業紹介状況(令和7年8月分)について」(厚生労働省)

業界ごとの人手不足感と採用意欲

「転職のしやすさ」という観点だけで見るならば、「求人倍率が高い(=人手不足感が強い)業界」に着目するのも一つの方法です。
厚生労働省のデータを参照すると、常時雇用の職業別有効求人倍率には大きな差があることがわかります。

<求人倍率が高い職業(人手不足の傾向)>
建設躯体工事従事者:8.29倍
保安職業従事者(自衛官、警察官、消防員など):6.86倍
建築・土木・測量技術者:6.59倍

<求人倍率が低い職業(求職者が多い傾向)>
美術家,デザイナー,写真家,映像撮影者:0.15倍
一般事務従事者:0.31倍
会計事務従事者:0.59倍

(※上記は職業別のデータですが、業界の傾向を反映しています)
このように、建設関連の職業などで求人倍率が非常に高くなっている一方で、一般事務やクリエイティブ系の職種では求職者が多い傾向にあるなど、大きな開きが見て取れます。もちろん、これが転職市場の全てではありませんが、こうした公的なデータから世の中の需要や大まかな傾向を掴んでみるのも、業界研究の一つの方法と言えるでしょう。

※出典:「一般職業紹介状況(令和7年7月分)について参考統計表)」(厚生労働省)

転職希望者の声から見る【人気・満足度の高い業界】

市場全体のデータに続き、ここでは私たちリクパーキャリアの転職支援実績のなかで、特に登録者から人気を集めている「メーカー・モノづくり」「IT・Web」「インフラ」の3業界をピックアップし、実際の声をもとに「なぜその業界が選ばれるのか」という人気の理由を深掘りします。

メーカー・モノづくり業界

メーカー(製造業)とは、食品、家電、自動車、医薬品、半導体など、私たちの生活に関わるあらゆる「モノ(製品)」を生み出す業界です。
一般消費者向けの製品だけでなく、社会インフラや他の産業を支える素材・部品・機械なども幅広く含んでおり、「日本のモノづくり」を支える基幹産業として、経済全体における重要性が非常に高いのが特徴です。歴史の長い大手企業も多く、安定した雇用や充実した福利厚生を求める層からも根強い人気があります。

人気の理由:安定性・成長性・多様なキャリア機会に恵まれている

日本の基幹産業であり世界に誇る技術力を持つメーカーは、製品が形になる社会貢献性の高さが魅力です。業界の安定性と技術革新が両立する安心感に加え、開発から営業まで多様な職種が存在し、充実した福利厚生や研修の下で専門スキルを磨きながら長期的なキャリアを築けます。

実際の志望動機(リクパーキャリアご登録者の声より)

「ワークライフバランスを大切にしながらも、世界と戦える最新技術に触れたい」
「学生時代から培ってきた専門知識(化学・機械など)を活かせる分野で活躍したい」
「AIなど最新技術の活用に携わり、自身のスキルを伸ばしていきたい」
「英語力を活かしてグローバルに活躍したい」

IT・Web業界

IT・Web業界とは、情報技術(IT)やインターネットを活用して、社会や企業のさまざまな課題を解決する製品・サービスを提供する業界です。
企業の基幹システムや会計ソフトの開発、あるいは個人が楽しむSNSやゲームアプリ、ネット通販(EC)の運営など、その事業内容は多岐にわたります。
技術革新のスピードが非常に速く、常に新しいサービスが生まれているのが特徴で、あらゆる産業のDX(デジタル変革)を牽引しています。

人気の理由:未経験でも挑戦しやすく、柔軟な働き方もできる

IT・Web業界が人気を集める理由は、その圧倒的な「成長性」と「働き方の柔軟性」にあります。
社会的な需要の高さからIT人材の市場価値は非常に高く、深刻な人手不足を背景に未経験者にも門戸が開かれています。また、リモートワークやフレックス制を導入する企業も多く、場所に縛られない働き方を実現しやすい点も大きな魅力です。

実際の志望動機(リクパーキャリアご登録者の声より)

「将来性を考え、需要が高まり続けるITスキルを身につけたい」
「リモートワークが可能な環境で、育児や介護と仕事を両立させたい」
「年功序列ではなく、実力主義の環境で若いうちから裁量を持って働きたい」
「自社サービスの開発に携わり、ユーザーの反応をダイレクトに感じたい」

インフラ業界

インフラ業界とは、電力、ガス、水道、鉄道、航空など、人々の社会生活に不可欠な基盤(インフラ)を整備・提供する業界です。社会や産業の基盤を文字通り支える、公共性の非常に高い役割を担っています。

人気の理由:景気に影響されにくく安定している

インフラ業界の最大の魅力は、景気の動向に左右されない圧倒的な「安定性」にあります。
人々の「当たり前の生活」を支えるという高い社会貢献性に加え、特に地方では地域での知名度と信頼感が抜群で、転勤が少なく地元で長く働きたいと考える人から強い支持を集めています。

実際の志望動機(リクパーキャリアご登録者の声より)

「安定した経営基盤を持つ企業で、地元九州で長く働きたい」
「社会貢献、地域貢献につながるスケールの大きな仕事がしたい」
「家族や親戚も安心できるような信頼できる企業で働きたい」

業界別の特徴と将来性

先ほど紹介した3つの業界も含め、転職を考える上で知っておきたい主要な業界の特徴と将来性を、ここで整理して解説します。

IT・通信業界

DX、AI、クラウドサービスの拡大を背景に、IT人材の需要はあらゆる産業で高まり続けており、将来性は非常に高いと言えます。
技術革新のスピードが非常に速いため、常に新しい知識を学び続ける意欲が不可欠ですが、スキルを磨けば若いうちから高い報酬や重要なポジションを得られる可能性もあることが特徴です。
転職市場においては、同業界のIT企業だけでなく、DXを進めるメーカーや金融機関といった事業会社のIT部門(社内SEなど)も選択肢に加わる傾向にあります。

製造業・モノづくり業界

新興国メーカーとの競争激化により業界全体としては横ばいの分野も見られますが、IoTや工場の自動化(FA)といったDX関連の投資は活発です。景気動向に左右されやすい側面がある一方、近年は環境問題への対応(サステナブルな製品開発)も求められています。
転職市場では、特に半導体関連など需要が急拡大している分野において、異業種からの採用も活発化している傾向があります。

医療・介護・ヘルスケア業界

少子高齢化社会の進展に伴い、医療・介護の需要は今後も確実に拡大し続けるため、景気に左右されにくい安定性が最大の強みです。人の役に立っていることを直接実感できる高い社会貢献性が魅力ですが、慢性的な人手不足という課題も抱えています。
転職市場では専門職の募集が通年で多いことに加え、近年は医療DXやオンライン診療といった成長分野も注目されています。
リクパーキャリアのご登録者の中には、ご自身やご家族の看護・介護経験を通じて社会的な重要性を再認識し、異業種から医療関連分野への転職を決意される方もいらっしゃいます。

不動産業界

景気や金利政策の影響を受けやすい側面はありますが、都市部の再開発やリフォーム需要などを背景に市場は比較的安定しており、近年は「不動産テック(IT化)」も進んでいます。
高額な商品を扱うため、営業職などは成果次第でインセンティブ(歩合給)が乗り、高収入を得られる可能性がある一方、成果主義の傾向が強い点が特徴です。
未経験者や資格のない人にはハードルが高い求人もありますが、実力主義の環境で高収入を目指す人や、都市開発や街づくりといったスケールの大きな仕事に魅力を感じる求職者からの応募が多い傾向にあります。

未経験から転職しやすい業界とは?

「異業種にチャレンジしたい」と考えている方のために、一般的に未経験でも転職しやすいとされている業界と、その理由をまとめました。
これらの業界は、慢性的な人手不足や急速な市場拡大によって、ポテンシャルや人柄を重視した採用を積極的に行っている傾向があります。

未経験からでも転職しやすい業界の表No.53

<転職エージェントからのアドバイス>

未経験の業界へ挑戦する際に気をつけたいことについて解説します。

まず、業界が違っても、これまでのご経験の中で活かせるスキルは必ずあります。ご自身の経験を丁寧に分析し、企業が求めるスキルや経験とマッチする部分を見つけてアピールしましょう。
その上で、足りない知識については「入社後に積極的に学びます」という前向きな意欲を伝えることが、経験不足を補う大きなアピールになります。

また、入社後のミスマッチを防ぐためには、業界のリアルな姿を調べておくことも大切です。 「安定」という魅力的な言葉の裏には「年功序列」といった文化があるかもしれません。憧れだけでなく、その業界ならではの働き方や文化をしっかり理解しておくことが、納得のいく転職への近道です。

<参考記事>
志望動機が「キャリアアップ」の場合の伝え方|職種別例文も紹介

異業種転職に成功した方の事例

私たちリクパーキャリアの転職支援をご活用いただき、見事、未経験の業界へのキャリアチェンジを成功させた方々の事例をご紹介します。

IT業界から自動車メーカーに転職したAさん(30代・男性)

SIerでシステム開発をしていたAさんは、「納品して終わりではなく、自社のものづくりに腰を据えて関わりたい」と考え転職活動を開始しました。特に、エンドユーザーである製造現場の近くで、自身のシステムがどう役立っているかを実感しながら働ける環境を重視していました。
選考では、世界中にユーザーがいる製品のものづくりにITで貢献できる点に強い魅力を感じているとアピールし、その熱意と経験が高く評価され、見事に内定を獲得しました。

金融業界からIT業界に転職したBさん(20代・女性)

金融業界で働いていたBさんは、今後のキャリアを考えた際に、より成長を感じられる環境を求めIT業界への転職を決意。決められた商品を売るのではなく、顧客の課題を解決するソリューション提案がしたいという思いがありました。 成果が正当に評価され年収に反映される仕組みや、若手でも実力次第でキャリアアップできる環境にも魅力を感じていました。
選考では、IT業界未経験であることを受け、不足している知識は積極的に勉強して習得するという意欲をアピールし、そのポテンシャルが高く評価され、内定を勝ち取ることができました。

流通業界からインフラ業界に転職したCさん(30代・男性)

流通業界で働いていたCさんは、将来を考え、景気に左右されない安定性に魅力を感じてインフラ業界を志望。地元でも人気が高い企業へ、半ばダメもとという気持ちで選考に臨みました。
しかし、面接で話した社員の方々の穏やかな人柄に触れ、自分にマッチした社風だと実感したそうです。内定後に転職先を伝えた際、家族や友人からとても喜ばれ、安心してもらえたことも大きな決め手となって、入社を決めました。

業界選びは「人気」よりも「適性」と「成長性」で考えよう

ここまで様々な業界を紹介してきましたが、最も大切なことをお伝えします。 それは、「人気があるから」という理由だけで業界を選ばないことです。
業界選びはキャリアプランの土台となるものです。やりがい、働き方、社風、待遇など、あなたが仕事に求めるものの多くは、業界によって大きく左右されます。

大切なのは、「人気かどうか」よりも、以下の軸で考えることが大切です。

あなたの「適性」や「価値観」に合っているか
(例:成果主義で高収入を目指したいのか、安定した環境で長く働きたいのか)

その業界に「成長性」や「将来性」があるか
(例:今後も社会的にニーズが高まり続けるか、衰退のリスクはないか)

このような視点を持ち、しっかり時間をかけて情報収集・検討することが、後悔しない転職、満足度の高いキャリアにつながります。

<参考記事>
キャリアの考え方|キャリアプランの作り方と思いつかないときのヒント
転職の軸とは?|面接での回答例文や練り上げるためのステップを紹介

もし業界選びに迷ったら…プロに相談するメリットとは?

ここまで業界選びの重要性をお伝えしてきましたが、「自分一人で業界研究をしたり、適性を見極めるのは難しい」と感じる方も多いのではないでしょうか。業界研究は非常に時間がかかりますし、ネットの情報だけでは実態が見えにくいことも事実です。

もし業界選びに迷ったら、転職エージェントに相談することも有効な手段と言えるでしょう。
転職エージェントを利用するメリットは主に3つあります。

1.ネットにはない「非公開求人」や「独自情報」に出会える
転職エージェントは、一般には公開されていない「非公開求人」を多数保有しています。また、企業の採用戦略や「なぜ今このポジションを募集しているのか」といった具体的な採用背景、さらには過去のご紹介実績に基づく選考情報や内定事例など、転職サイトだけでは得られない独自情報を知ることができます。

2.市場価値を客観的に判断してくれる
自分では「大したスキルではない」と思っていても、プロから見れば「高く評価される経験」であることは多々あります。転職エージェントは多くの転職事例をもとに、求職者のスキルや経験がどの業界で活せるか、客観的な視点でキャリアプランを考えるサポートをします。

3.選考対策や条件交渉をサポートしてくれる
応募書類の添削や、業界ごとに異なる面接対策はもちろん、本人からは言いづらい「希望年収」や「入社条件」の企業との交渉も行います。

このように、業界選びやその後の選考に不安がある場合は、一人で悩むよりもプロのサポートを活用することが納得のいく転職への近道となります。

<参考記事>
転職エージェントに相談だけしても良い? | おすすめの利用方法を紹介
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監修者
下﨑 和志 (しもざき かずし)

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リクルーティング・パートナーズ株式会社 人材エージェント事業部 マネジャー。事業会社人事を経て、結婚・第一子誕生を機に地元福岡へUターン転職。ハイキャリアから次世代リーダーまで幅広い層の転職を支援。【国家資格 キャリアコンサルタント】

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